家事、お引き受けいたします。【桃】

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靱やかに動く手足。


この席からでも分かる色気とオーラ。


あぁ、あの時の大介だ。


一瞬で世界を自分のものにしてしまう
大介の表現力。


あの頃のまま、全く衰えていない。




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"次どこ行く？お店結構まわったよね。"


" あ、ねぇ。奥のステージダンスやってる！
見よーよ！ "


" えぇ、私ダンスとか興味ないって。"


" ちょっとでいいからさぁ！
うちの大学のダンスサークルはレベル高いんだよ？"


" そうなの？まぁ、ちょっとだけだよ？ "






" おーい。A？"


" えっ！？ なに！？ "


" めちゃくちゃ見入ってるじゃん。"


"あ、いや。なんかめちゃかっこよくて。"


" でしょ！？ "


"ねぇ、あの人の名前なんて言うの？ "


" ん？あの子はね、佐久間大介くんだよ。同い年！"


" へぇ……佐久間、くんね。 "




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私があの日一目惚れした大介のダンスは
色褪せることなく、そこにいる。


記憶をなくしても、あの佐久間大介のダンスだ。




やっぱり私は
踊ってる大介が大好きだな。





たった2分で大介はこのホールの人たちを虜にした。


すごいでしょ、大介。


そんな風に自慢したくなる。




ステージから大介が消えると、私の目からは涙が零れた。

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