家事、お引き受けいたします。【桃】

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佐久間side





たった2分。


されど2分。





先生が俺に与えてくれたこの時間


俺は、ステージに立つことができる。


踊ることができるんだ。





講師チームに入れて欲しい、と伝えると
みんなは快くOKしてくれた。


そして、俺は最後の曲の中盤に
一緒にステージに立つことが決まった。







『やっぱさっくんの身体の使い方はピカイチだよな。』


『ほんとに覚えてないんだよね？(笑)』







なかむーに言われた、
俺のダンスは人を魅了する、という言葉。


あの夢の中で女の人に言われるのと同じだった。


偶然？それとも、







美｢大介ー！お疲れ様！｣


佐｢あ、美紅ちゃん！｣


美｢一緒に帰ろ〜｣


佐｢うん！ちょっと待って着替えてくるから！｣







美紅ちゃん。俺の幼なじみ。


幼稚園のころからよく遊んでいた、らしい。


俺はこの子のことも忘れてしまった。


だけど、すぐに仲良くなれた。


美紅ちゃんは事故の後入院していた時も
すぐに来てくれたし、
今もこうやって練習の後は車で迎えに来てくれる。





きっと本当に昔からの付き合いで
俺の人生から欠けてはいけない人なんだと思う。


忘れてはいけない人だったのに。







美｢発表会、もうすぐたね！｣


佐｢うん！美紅ちゃんも見に来てくれるよね？｣


美｢当たり前じゃん！
大介のダンス見るの楽しみだなあ…｣








同じことを言っていたなかむーの顔が浮かぶ。


喜んでくれるといいな。





あの笑顔が、見たいなぁ。

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