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今日、大介はまた病院に行くと言っていた。
先生と話し合ってみるらしい。
「……私も、しっかりしないと。」
本当はあんな偉そうなこと言える立場じゃない。
私だって、自分が傷つかないように、
颯太を傷つけないように
って本当の気持ちから逃げている。
でももう、やめなきゃ。
これ以上逃げてはいられない。
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夕方、いつものように事務所から家に帰る。
その足取りはとても重かった。
まだ籍を入れていないとはいえ、
ずっと一緒にいる約束はしたのだ。
ただ別れを告げるのとは訳がちがう。
なんて言おうか、
道中はそのことだけを考えていた。
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19:00をまわった頃、
玄関から元気な声が聞こえた。
「颯太、」
颯「ん、どした?」
「話したいことがある。」
颯「……うん。先着替えてくる。」
心を落ち着かせ、
ダイニングテーブルのいつもの席に座る。
颯太が戻ってくるまでの時間はすごく長く感じた。
颯「A……どうした?」
「……あの、ね、」
颯「うん…」
「…颯太とは…結婚……できない…」
颯「………………」
颯太はゆっくり息を吐く。
あまり驚いてはいないようだ。
颯「……どうして?」
「大介に、会ったの。
家事代行の担当になって、」
颯「大介って……あの、?」
「うん……」
颯「それで……?また好きになった?」
「……そう、」
ダメだ、泣くな。
ここで私が泣いたら卑怯だ。
私は責められて当然なんだから。
颯「付き合おうって言われたの?
Aのこと捨てたのに?」
「違う、違うの…」
颯「なんだよ、違うって」
颯太の口調が荒くなる。
こんな颯太見たことない。
「大介ね、私と喧嘩した日に事故にあって
記憶なくしてて、私のこと覚えてないんだよ。」
颯「は……?」
「大介は私のこと、初めて会った人だと思ってるの。」
颯「……んだよそれ…」
「ごめん、本当にごめん。」
颯「俺は……ずっと一緒にいたのに……
なんでまたアイツにとられなきゃいけないんだよ……」
いつも私を元気にしてくれた
颯太の涙を見たのは初めてだった。
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ひなの(プロフ) - なるさん» 返信遅くなりました!すみません💦 あ!舘様だったんですね!他担の方にも楽しく読んでもらえて嬉しいです♡ 新しいお話公開いたしましたのでぜひ!! (2022年6月8日 22時) (レス) id: 65ac30d659 (このIDを非表示/違反報告)
なる(プロフ) - ひなのさん» いえ宮舘担です笑笑ただ、占ツクで読むのは佐久間メインです😂記憶を取り戻したさっくんと死ななかった主人公が最高ですね次回作も楽しみにしてます!! (2022年6月1日 10時) (レス) id: d305ef95e6 (このIDを非表示/違反報告)
ひなの(プロフ) - みぃ。さん» コメントありがとうございます!取り戻せてよかった!!でもギリギリでした(笑)とても良い予想だと思います😄楽しみにしていてください🧡 (2022年5月31日 19時) (レス) id: 65ac30d659 (このIDを非表示/違反報告)
ひなの(プロフ) - ほの華さん» コメントありがとうございます!今回もだなんて!嬉しすぎます🥰次回「も」面白いって言ってもらえるように頑張ります💪 (2022年5月31日 19時) (レス) id: 65ac30d659 (このIDを非表示/違反報告)
ひなの(プロフ) - そらさん» コメントありがとうございます!あら!そらさんの推しは🧡なんですね😏ぜひぜひ楽しみに待っていてください! (2022年5月31日 19時) (レス) id: 65ac30d659 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひなの | 作成日時:2022年3月29日 20時