家事、お引き受けいたします。【緑】

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阿部side




太｢おい亮平！お前昨日大丈夫だった？｣


阿｢まぁ……｣







太陽の心配そうな顔を見ると
昨日の俺はいつもとかなり違っていたことが分かる。


まぁ、昨日は松本さんへの未練を断ち切るために
いつもじゃありえない量の酒を流しこんだからね。








太｢あの後ちゃんと帰れたんだよな？｣


阿｢うん。帰れたよ。ありがとね。｣







気づけば俺は家にいて、
目の前にはコップを持った松本さんがいた。


迷惑をかけたことは確実で
情けない気持ちになった。





だけどそれよりも松本さんが
｢樹｣と呼んだことに対するダメージの方が大きかった。


付き合ってるんだから当たり前。


そんなこと分かっているのに
ここまでダメージ喰らうなんて、


俺は松本さんへの未練を
全く断ち切れなかったようだ。





なのに
田中が心配してるよ
なんて言ってまたアイツの元へ行かせてしまった。


ほんっと、馬鹿だなぁ…俺。






.






仕事が終わり、あかりの灯った砦に帰る。


玄関に入ると夕飯のいい匂いがして


寝室には部屋着が綺麗に畳まれて置いてある。


いつも通りだ。




いつも通りじゃないのは







｢あっ！亮平さん！お疲れ様です。
今日はですね、エビフライを作ってみました！｣


｢コレ見てくださいよ。
エビ真っ直ぐ揚げられたんですよ！｣


｢はい！冷める前に早く食べてください！｣







作られたような笑顔と無駄に大きい声で俺を迎えた


松本さんだけだった。

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