040 ページ41
.
血の気が引くって多分こういうこと。
だけど、私は案外冷静だった。
ガチャ
パチッ
｢樹。｣
田｢えっ、……A…どして、｣
部屋に入り、薄暗い部屋の電気をつけると
行為真っ最中の樹……と知らない女。
漫画かドラマの中でしか見たことのない
このシチュエーションを
まさか自分が経験するとは思わなかった。
｢なんで？｣
田｢いや、これはな、｣
｢言い訳とかいらない。｣
私が数時間前まで座っていたベッドに
今は顔も見た事のない女の人がいる。
しかも裸で。
吐き気がした。
田｢……ふっ…ははっ｣
樹は乾いた笑いをこちらに向けてきた。
田｢あーあ。
こんな早くバレるつもりじゃなかったんだけどな。｣
｢……は？｣
田｢俺別に、お前のこと好きだと思ったことねぇよ。｣
｢……えっ……？｣
目にかかった髪をかきあげながら
樹は余裕そうに笑った。
対する私は予想もしていなかった答えに
次の言葉が出てこない。
田｢楽しいじゃん。女落とすのって。｣
｢何言って…｣
田｢まぁでもお前、簡単すぎたわ。
ちょっと嘘ついただけで簡単に課長捨てて
こっち来たもんな。｣
嘘？なにが？
どれが？
樹の言葉は全て嘘だったの？
田｢せっかく社内の有名人落としたんだから
あと少し付き合ってもよかったんだけど。
もういいわ、ばいばい。｣
｢じゅ、樹……本気で言ってんの？｣
田｢おー。これは嘘じゃねーよ。｣
｢なにそれ。ふざけないでよ…｣
田｢ふざけてねーわ。
てかさ、傷ついたお前のこと癒してやったんだから
逆に感謝されてもいいと思うんだけど。どう？｣
怒りを通り越したこの感情が
もはやなにものなのか
私には分からなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4764人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひなの(プロフ) - すのすと担さん» コメントありがとうございます！ですよね！樹くんはめちゃくちゃ悪役似合うと思ってます(笑)オファー来ないかなぁ……🧐これからもよろしくお願いします！ (2022年4月6日 17時) (
レス) @page49 id: 65ac30d659 (このIDを非表示/違反報告)
すのすと担 - わかります！悪役の樹君めっっっっちゃかっこよくないすか？ドラマで一度見てみたいものです。自分のペースで頑張ってください！応援してます！ (2022年4月4日 7時) (レス) @page50 id: 20b86a31c8 (このIDを非表示/違反報告)
ひなの(プロフ) - 雪樹さん» コメントありがとうございます！あら！樹担さんにそう言ってもらえたら自信つきます(え) 次回作もぜひご覧下さい(^^)これからもよろしくお願いします！ (2022年1月31日 21時) (レス) id: 65ac30d659 (このIDを非表示/違反報告)
ひなの(プロフ) - HINATAさん» コメントありがとうございます！これからも頑張りますので、応援よろしくお願いします〜！ (2022年1月31日 21時) (レス) id: 65ac30d659 (このIDを非表示/違反報告)
雪樹 - 完結おめでとうございます！実は樹担なんですけど悪い田中もいいなぁと思ってしまいました(笑)次回作も楽しみです！体調に気を付けてひなのさんのペースで頑張ってください！ (2022年1月28日 22時) (レス) @page50 id: 5ac4e60522 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひなの
| 作成日時：2021年12月3日 22時
