家事、お引き受けいたします。【緑】

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阿｢……ごめんね？｣







そんな目でこっちを見ないでほしい。


ただでさえイケメンで
じっと見られると若干緊張するのに


捨てられた犬みたいな表情されたら
言いたいことも言えない。







阿｢松本さんには迷惑かけないから。｣


｢……迷惑って、｣


阿｢松本さんは俺を彼氏だって言わなくていいよ。
今まで通りで大丈夫。｣


｢それで平気なんですか？｣


阿｢自分で蒔いた種だからね。俺に処理させて。｣


｢わかり……ました。｣







今までの信頼があるからだろうか。


私は亮平さんの名だけの彼女をすんなり引き受けた。







阿｢松本さんの方になんか来たら俺に教えて？｣


｢はい…｣


阿｢ありがとう。松本さん。｣







まさか亮平さんを助ける日が
来るとは思っていなかった。


いつも助けられる側だったから。




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｢じゃあ、帰りますね。｣


阿｢今日もありがと。｣


｢いえいえ。｣


阿｢頃合いみて会社の人たちには別れたって言うから
今だけ、お願いします。｣


｢いや、私は別に……｣







玄関で亮平さんと話していると、
ポケットの中でスマホが振動した。


その振動はなかなか途切れない。


すみません、と言って私はスマホを取り出した。







｢……あ｣


阿｢ん？｣


｢……和奏です。｣


阿｢坂崎さん？｣







このタイミングで
同期であるこの子からの電話なんて


内容は決まっている。







｢…………もしもし。｣


和｢Aーーー！！！！！！！｣


｢……うるさ。｣


和｢ねぇ！？どういうことよ！？｣


｢なにが？｣


和｢いや！亮平さんとのことにきまってるでしょ！？｣


阿｢さすが坂崎さん。｣







スピーカーにしていないのに
亮平さんまで聞こえるくらいの声のボリュームは
相変わらずなようだ。

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