偶然は必然だと教えてください。《青》

ありのまま ページ48

目黒side

最近、Aさんから連絡がない。メッセージに既読がついているのに一向に返事は返ってこない。これまでは割とすぐ返信が来てたのに。

今日は新曲の振り入れで事務所のレッスン室に籠っている。今は休憩中。
しょっぴーは壁にもたれかかるように床に座って、スマートフォンをいじっている。


目「あのさ、しょっぴー。最近、Aさん元気にしてます？」

しょっぴーなら何か知ってるかもしれないと思い、聞いてみた。

渡「…なんで俺に聞くの？」

しょっぴーの表情は暗い。

目「…だって、隣に住んでるじゃん。」

渡「隣に住んでるからって、毎日会うわけじゃないよ。」


目「…なんかあったんすか？」

渡「……別に、何もない。」

ちょっと外出てくる。と言い、しょっぴーはレッスン室から出て行ってしまった。…それは何かあった時の反応だよなぁと思いつつ、さっきまでしょっぴーが座っていたところに腰を下ろした。


ふーっと息を吐きだすと、それに気がついた康二が駆け寄ってきた。

向「めめ、溜め息なんて珍しいなぁ？」

俺のすぐ横に座り、顔を覗き込んでくる。

向「…なんや、めめらしくないな。」

目「え、」

顔を上げると、康二はにいっと笑って、俺の肩に手を置いた。

向「何があったか詳しくは聞かへんけど…俺の知ってるめめは真っ直ぐ、真正面からぶつかっていくような男やもん。」

とんとん、と少し強めに肩を叩く康二。

向「めめは、『めめらしく』な。」


俺は、俺らしく。か。


目「あんま、らしくないことすんなよ笑」

向「あ、バレた？笑」

康二はケラケラと笑いだす。


目「けど、ありがと。当たって散らばる？だもんな。」
向「当たって砕けろちゃう？砕けたらあかんけど。」

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