偶然は必然だと教えてください。《青》

告白 ページ44

阿部さんはグラスの中に入っていたお酒を飲み干した。

阿「今日、翔太のうちに来たのにはちゃんとした理由があるんだ。」

　『理由…ですか？』

阿「うん。花邑さんがどんな人なのか知りたかった。」

私が、どんな人なのか…？
突然の話に、頭が追いつかない。

阿「そういうことだけする関係なのかなとも思ったけど…一緒に過ごしてみて、花邑さんはそういう人じゃないって感じた。」

そういう関係…って、身体の関係とかそういうこと？

　『そういうことは…一切ないです…』

私がそう返すと、阿部さんは「ごめんね、そんなこと言わせて」と申し訳なそうにしている。


阿「けどね、今日の翔太の様子を見てて思ったよ。翔太は花邑さんのこと、すごく信用してる。だからメンバーにも会せたりするんだろうし…」

メンバー？渡辺さんのお友だちのこと？

さっきから、阿部さんの言いたいことがわからない。


　『あの、阿部さんは何が言いたいんですか…？』


阿「俺たちね、ジャニーズなんだ。」

ジャニーズってことは、アイドル？芸能人ってこと？

あまりに現実味のない話。



渡辺さんは、遠い存在だった。

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