偶然は必然だと教えてください。《青》

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ダブルベッドに、二人並んで横になる。

家主をソファに寝かせるのはどうしても気が引けてしまったから、一緒に寝よう。なんて言ったけど…

これは、これで恥ずかしい。

心臓の音が聞こえてしまいそうだ。

ダブルベッドでお互い背を向けているけど、渡辺さんが動くと振動がこちらまで伝わってくる。

すぐ近くに人の存在を、体温を感じる。


こんなの、


こんなの絶対寝られるわけない。


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あれからどれくらい時間が経っただろうか。

私は一睡もできていなかった。


それとは反対に、渡辺さんの方からはスースーという寝息が聞こえる。
渡辺さんはきっと寝ている。

起こさないように、渡辺さんの方にそっと寝返りを打つ。目の前にはあの日と同じ渡辺の寝顔があった。


あ、こっち向いてたんだ。

本当にかわいい寝顔。思わずじっと見つめてしまう。


すると、渡辺さんは目を瞑ったままふふ、と笑い始めた。


渡「見過ぎだから…笑」


視線がぶつかる。
渡辺さん、起きてたんだ…


　『お、起きてたんですね…』

渡「なんか、見られてるなって感じしたから。…どうした？寝られない？」

渡辺さんはずっと私の目を見ている。優しそうな、眠そうな目で。

こくん、と頷くと渡辺さんは少し考えて、

渡「ちょっと後ろ向いて。」



と言った。

言われた通り渡辺さんに背を向けるように体制を変えた。


渡辺さんは、ぐっと距離を詰めて寝始めた。

けど、あまりぴったりと密着せず、ほどよく寄り添っている感じ。

より、渡辺さんの存在と体温を感じる。

さっきまでは心臓が破裂しそうなくらいドキドキしてたのに、今はなんだかほっとする。


渡「何もしないから、安心して寝てていいよ。」


優しく語りかける声と人の体温が心地いい。

私は気がつくと眠りに落ちていた。

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