過去の人 ページ26
当時付き合っていたマサト。
大学のサークルで知り合った一つ上の先輩だった。
私がずっと片思いしていて、大学3年の春。ダメもとで告白したらOKをもらえた。
ずっと好きで仕方がなかった人だったから、毎日幸せだったし散々尽くした。
マサトは優しくて。尽くしている分の愛をしっかりと私に注いでくれていた。
けど。そんな関係は長くは続かなかった。
私が就職してすぐ。
マサトは変わってしまった。
浮気はするし、金遣いは荒くて。なのに束縛は激しくて。
私が少し反抗的な態度を取ると暴力を振るうようになった。
お前は俺がいなきゃ何にもできないだろ?
俺がいなくなったらどうするの?
俺のこと、好きなんでしょ?
結局、全部私が悪い。そう決めつけられたし、私自身も自然とそういう風に考えるようになってしまっていた。
男の人との会話はもちろん、連絡先も消されたし、
大学の友達との関係は全部絶つように言われた。
お金の使い方もどんどん酷くなった。私が指摘するとマサトは激高して、何日か外に出してもらえなっかたりしたこともあった。
仕事終わり、家に帰るのが怖かった。
けど、マサトから離れた自分には何も残らないと思うと怖くて、もっとずっと苦しかった。
数か月前。突然LINEで、
《他に好きなやつができた》
と言われた。数年続いた歪みに歪みきったマサトとの関係は、そんな簡潔で無機質な言葉であっけなく終わった。
誰にも言えなかったマサトとの過去。話せたのはリナだけだ。
怖かったね。もう大丈夫だよ。気づけなくてごめんね。と、私を優しく抱きしめてくれた。二人で一晩中、一緒に泣いた。
マサトがふらっと帰ってくるかもしれないと思ったリナは、一か月間ぐらい私の部屋で一緒に生活を共にしてくれた。その間、マサトが私の前に現れることもなかったし、連絡が来ることもなかったから私は今の家に住み続けている。
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リ「…ごめん。思い出させちゃったね。」
リナは申し訳なさそうに、俯く。
『ううん。大丈夫だよ。リナがいてくれて本当によかったな、って思ってたとこ。』
リ「A…なんかあったらちゃんと言うんだよ。」
『もちろん!絶対言うよ。』
さ、食べようか!と促す。
私たちは中断してしまった昼食を再開した。
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小豆(プロフ) - しょぉたくんさん» 初めまして。コメントありがとうございます!続編の方開設しました。引き続きよろしくお願い致します! (2020年9月10日 20時) (レス) id: 702e6b81f5 (このIDを非表示/違反報告)
しょぉたくん(プロフ) - 初めまして(^ ^)続編楽しみです(^ ^)頑張ってください(^ ^) (2020年9月10日 19時) (レス) id: 5309a4ac30 (このIDを非表示/違反報告)
小豆(プロフ) - らいなさん» 初めまして、コメントありがとうございます!レトルトのくだり私もお気に入りです笑引き続きよろしくお願い致します! (2020年9月7日 2時) (レス) id: 702e6b81f5 (このIDを非表示/違反報告)
らいな(プロフ) - 初めまして。いつも更新通知楽しみにそわそわしながら、楽しませて頂いてます!レトルトのくだりがツボすぎて思わずコメントしちゃいました笑 更新大変かと思いますが、続き楽しみにしてます!! (2020年9月7日 1時) (レス) id: 5b09cc1f1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小豆 | 作成日時:2020年9月1日 16時