“女の子”ではなく超絶可愛い“男の娘”【男主】 (ページ14)

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小さいころの夢ページ14

・岩本side

「おはようございまーす！」

ニコニコとした表情で挨拶をするなぎは多分、いや絶体初見じゃ女性に見間違えても可笑しくない。
実際俺も口には出さずとも見間違えた。

まぁ、関わってみると「あ、ちゃんと男だな」って思ったり男らしい部分も出てくる。

「おはよう照」

岩「おはよ」

「昨日まるっと何にもない日だったからお菓子永遠に作ってたんだけど、作りすぎちゃって…照半分ぐらい貰ってくれない？」

岩「いいけど…」

そう言いながらなぎは持っていたカバンの中身を見せてくる。中には手軽に食べれるモノから凝ったものまで勢ぞろい。なぎの作ったものだから美味しいとは思うけど、これを一日中作ってたのか。

岩「店開いた方が早いんじゃね？」

「それはめんどいから子供の時に諦めた」

岩「え、いつぐらい？阿部ちゃんと同期だから早めに事務所入ってるよね？」

「小学一年生の時にテレビでケーキ屋さんの一日みたいなの見て、毎日早起きとか材料費とか考えたときの利益って少なそうだなぁなんて思って止めた」

岩「ちょっとまって」

「え、何？」

何もないかのように反応するなぎのせいで一瞬俺が間違ってんのかと思ったけど違うよね？！

岩「それ、小学一年生の時の話なんだよね？」

「うん」

岩「小学一年生にしては利益とか子供らしくないこと考えたね？え、まじでそう思ったの？」

「……そうだけど？」

阿「おはよ～」

「あ！おはよ～ねー亮平、小一で利益考えちゃった俺もしかして子供らしくない？」

阿「？…あぁ、ケーキ屋さんの話か」

入ってきた阿部はよく説明してもないのによくわかったな。これが幼馴染ってこと？

阿「Aってお金のことだけ割と小さい頃から理解してたからね～ぶっちゃけ異質ではあるよ」

「うっわマジか。え、今の方が子供っぽいじゃん」

阿「そうかもね」

なぎが阿部の膝の上に座るのも見慣れたけど、やっぱこいつら距離感バグってるだろ。
なぎの見た目も相まって普通にカップルみたいな雰囲気出てるから。佐久間でも誰でもいいから早く来い。俺一人じゃこの二人の空気感に堪えられる気がしねぇ。

「ま、器用貧乏な天才は子供の頃から天才ってわけ」

なぎは俺に向けてそう言い、いたずらっ子のように笑った。

いや違うだろ←