Lily【dtnb】 (ページ5)

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secret touch.２ページ5

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ことの発端は、週刊誌の連載の撮影。
クリスマスデートを覗き見！が今回のテーマらしい。
そのコンビに、俺としょうたが選ばれた。

「ゆり組で、大人の雰囲気漂うBarで撮影です。
　夏休みがバズったので次はクリスマスデートってことで。
　ゆり組人気を見込んでのご指名です」

他雑誌の運命共同体ペアの投票も、結構得票してるみたいですよ。
仕事の説明に、追加情報まで。
顔には何も出さないよう
あくまで仕事の説明として聞くことに努めた。

うちのグループは、何かとコンビ売りされやすい。
9人もいるから、個人売りだけでなく
コンビ売りをすることで、仕事の幅も広がる。
それに、仲良しコンビは、ウケがいいらしい。
戦略的な判断だ。
そもそもグループ全員、それぞれ普通に仲がいいので、
外仕事のときなんかは、ひとりじゃないことで
萎縮せず、安心して仕事できる強みもある。

そんな中で、俺たちゆり組は
エモいなどと評されていたりして。
雑誌の企画、俺たちが結構得票してることは、
今初めて知ったけど…
時代が追いついてきた、ということにでもしておこうか。

「撮影は２週間後の月曜日、
　お店がお休みの日をお借りして行います」
「わかりました」
「次の日、以前お伝えしていた地方ロケが入ってます。
　朝早い移動なので、撮影後ホテル一泊になります。
　よろしくお願いします」

そのクリスマスデート…の撮影が今日だった。

シックなスーツに身を包んだ俺たち。
普段訪れないようなおしゃれなバーに
見劣りせず見えてるか心配もあるけど、
そこはアイドルとして、頑張りたいところ。

「おっ、俺たちのメンカラじゃん！」
しょうたの声が弾んでいる。
薔薇のような赤、マリンブルーの青。
スタッフさんが、お店の方にお願いして
メンバーカラーで作ってもらいましたと、
嬉しそうに応えている。

「どうする？自分のカラー持つ？」

そう聞くと、しょうたはニヤリと笑った。

「いや、ここはお互いのカラーのグラスだろ。
　多分こっちのがエモい」
「そうなの？」

その方が絶対エモい、と繰り返して
先に赤いカクテルのグラスを
しょうたは手に取ったので、
俺は青いカクテルを手に取った。

カウンターに座って撮影が始まる。

目線カメラにください、
グラスを合わせて乾杯してみましょう、
シャッター音が絶え間なく響く中
カメラマンさんの指示が入る。

「じゃあ、次はー…
　ちょっと見つめ合ってみましょうか、」

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