secret touch.５ ページ8
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この会話を聞いて、
運転席のマネージャーが会話に入ってきた。
先にホテルに俺をおろしてから、
しょうたの自宅に送っていく予定らしかった。
運転しながら、しょうたに声をかけ、
バックミラー越しに心配している。
「あー…うん、そう、ちょっと体調よくないかも。
舘さんと同じホテルにおろしてくれる？
はやく休めば、大丈夫だと思う」
あ、やっぱり体調わるかったんだ。
違和感の答えがわかって、
心配ではあるけど、少し胸を撫でおろす。
もう少し、気を配ってあげたらよかった。
と、1人反省。
「俺の上着で悪いけど、上にかける？」
「…ん、」
いつも薄着のしょうた。
今日も身軽な格好だったから、
上着を体にかけてやる。
小さくうなづいて、それを受け入れ。
俺の上着にきゅっとくるまって
顔をうずめると、しょうたは目を閉じた。
「もう一部屋とれました、これキーです。
もし何かあったら、連絡してください。
かけつけるので」
「すみません、ありがとうございます」
マネージャーが2部屋分のチェックインを済ませてくれた。
明日しょうたは、昼から個人仕事があるらしい。
マネージャーは体調を心配しているものの、
幼なじみの俺が同じホテルにいるということで
安心してカードキーを預けていく。
何かあったら俺やマネージャーにすぐ連絡すること、
無理しないことなど声をかけるマネージャーの言葉に、
俺の上着を肩にかけたしょうたは、小さくうなづいた。
部屋は同じ階だった。
エレベーターで一緒に上がって、
近い方の部屋のカードキーをさし、
ドアを開ける。
「何かあったら、連絡して」
そう言って、中に入るよう
しょうたを促した。
が、立ち止まったまま。
「しょうた？」
「りょうた、」
「ん？」
「ちょっと、いてほしいんだけど」
「……え？」
思いがけない言葉に、一瞬固まる。
いや、よっぽど体調悪いのか、
そう思い直して
「わかった、まず入ろう」
しょうたの背中に手を添えて
２人で部屋の中へ歩みを進めた。
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作者名：ほたて | 作成日時：2023年1月4日 20時
