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Chopin 3 ページ3
廉くんは私たちが小学生になる手前、大阪にお父様の転勤で引っ越してしまった。
ピアノの先生からも止められたが彼は私とのピアノを捨てて大阪へ旅立った。
私は私とのピアノが嫌になったわけではない、と呑気に思っていたし、本人も捨てた、何て人聞きの悪いことをしたつもりは全く無い。
ただ、廉くんに会えなくなる、廉くんの音色が暫く耳から遠ざかることに寂しさを覚えたくらいだった。
廉くんとのペアではなくなって、新たなペアが現れたのは、廉くんが引っ越してから一ヶ月後のことだった。
彼の名前は――――――――――――――――――
阿部顕嵐くん
顕嵐との連弾は、顕嵐くんは優しすぎるから…
私のリズムばかりが先行して、全然合わなかった。
何度も苦しみ、もがいた。
私のピアノは崩れていた。
でも、必死に譜面だけを追った。
廉くんにいつか見つけて貰えるように、音色だけは変えたくなかった。
でも、何が私の音色か、分からなくなっていったんだ―――――――――――――――――
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作者名：ゆい | 作成日時：2017年3月20日 23時
