クーデレ7% ページ9
「ま、お前ええ奴っぽいから考えといたるわ。Aさんもおるしな」
お前、と言うのはチーノのことだろう。アイツが良い奴？…いや、シャオロンの目にはそう映ってるのか。
ただ、満更でもなさそうなシャオロンを前に、私とチーノが頬を緩ませたのは確かだ。
…そんな良い空気を、思いっきりぶち壊したバカが数名。
「おおっ、これすげーなァ！一本もーらい！」
「俺らの師団室にでも飾ろうぜ〜」
一般に不良と呼ばれる悪魔が何人か、ふわふわを折ろうとしている。
私たちの一応の名目は調査だし、普通に綺麗だからやめて欲しい。
「あっ…ふわふわが！」
「まだ調査(宴会)中なのに！やめましょうみなさん、無闇に触っちゃ…」
チーノの言葉に、不良たちはものすごい剣幕で振り返る。それを目にしたチーノは…
「ささっ！一杯どうぞ兄さん！！お菓子も全部食べてってください！」
この態度の変わりようを見たシャオロンは流石に焦っているようで、かなりまくし立てて私に話しかけた。
「えっ、ちょっ、Aさん！！アイツどうしちまったんや！？てか、止めなくてもええんか！？」
「平気だよ、いつものことだし」
「これが！？」
「うん。まあ何とかなるよ、チーノを信じてあげて」
だって、チーノが持っているものは──いや、やめとこ。ネタバレしたら面白くなくなっちゃう。
……んふふ、流石詐欺師だなぁほんとに。面白いじゃん。
「おーい、まだ折れねェのかよ〜」
「ちょっと待ってろ、こいつ堅くて…っ！」
ただ、不良たちはふわふわを折るのを辞めるつもりがない。
流石に良い気しないな、と思ったその時。私以上にお怒りなシャオロンが立ち上がった。
「チーノ、借りるぞ」
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作者名：ゆきんこ | 作成日時：2024年1月23日 19時
