詐欺師の許嫁はクーデレお嬢様 (ページ2)

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前日譚ページ2

「……とんでもない代物。これもあの特待生がやったって言うの？」

中庭に突如として現れた得体の知れないピンクのふわふわしたものを見て、無意識の内にそう呟いていた。

「らしいで。ほんま、ヤバい奴が入ってきたもんやな」

「チーノ、いつの間に」

話しかけてきたのはチーノ、私の許嫁。……にしても、いつの間に横に居たのだろう。

「ついさっきやで」

「……アンタって心読めたっけ？」

「顔に出とるんよ！ほんま分かりやすいなぁAは！」

「何か腹立つ」

顔に出てるって、私ポーカーフェイスは上手い方だとおもってたんだけど。……腹立つな。

「それはそれとして、チーノが一人で来るなんて珍しいね」

「何となくAが居る気がしたからな！……それに、多分来るであろう後輩に会いに来たんや」

「後輩？……あぁ」

──我々師団のか。