油断【いわふか】 ページ16
岩本side
深澤「、もうばかぁ…!!」
「やだっ、そっちじゃないっ……!!」
俺の目線の先にはよくわからないゲーム用の椅子に座って、コントローラーを一生懸命操作するふっか。
画面に集中しすぎて俺のこの熱い視線には気づきそうもない。おまけにこれまたよくわからないゲーム用のヘッドフォンをつけていて、声さえも届かなそうだ。
そんななか、ゲーム中によく現れる幼児みたいな滑舌の覚束ない喋り方で、俺の理性を脅かす発言を先ほどから飛ばしまくっている。
さらには時折しまい忘れるあの舌。いつでもその唇を奪い去ってしまいたい気持ちを何とか抑えているというのに、なぜ、舌をしまい忘れるのか。お前は猫なのか。それとも俺を試しているのか。
どちらにせよ、せっかく二人きりだというのに一人でゲームに夢中なふっかには、多少、いたずらが必要なんじゃないの。
岩本「ふっか。」
流石に至近距離まで近づくと顔を上げるふっか。けれど、きっとその前から俺が自分のもとに来ている気配には気づいていたはず。
頭にはてなマーク浮かべちゃって、ほんと鈍感。俺、さすがにゲームには負けらんないって。
深澤「、ちょっ…」
肩に手を置いて顔を寄せると、慌てて閉じられる口。
深澤「っ、ばか…っ!!急すぎるわ!!」
離れて第一声、そんな罵声を飛ばされるが、そんな真っ赤な顔で言われても……。
岩本「…残念。舌、そのままだったら食べちゃおうと思ってたのに。」
もっとその顔が見たくて追撃してみると、俺が肩を抑えているというのに、ふっかは「やだ……っ」とか、「ばかっ…！」なんて言いつつなんとか顔を隠そうと必死に抵抗してくる。
そんな姿を見て満足して、手を離すと、静かに椅子の肘置きへとうずめられていく顔。
まあ、目的の舌は奪えずとも唇は奪えたわけだし。
岩本「じゃ、ゲームの続き、楽しんで。」
そう笑い声交じりに言うと、
深澤「もぉ…っ……ばかなんじゃないの、」
と顔を上げないままのくぐもった声でそう返される。俺、今日何回ばかって言われれば気が済むんだろね。
悪いのは全部、油断してるふっかのほうなのに。
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uyumu(プロフ) - 茉音さん» コメントありがとうございます!!共感していただけて良かったです!!これからもぜひよろしくお願いします!! (2023年2月11日 20時) (
レス) id: a5db0933c2 (このIDを非表示/違反報告)
茉音 - コメント失礼します！ ふっかさんって小悪魔似合いそう、というかこの頃あざといのは狙ってるのでは！？と思っていたので、めちゃくちゃ共感しました！！それとしょっぴーの照れ方がリアル過ぎて尊かったです！！これからも応援しています！頑張ってください！ (2023年2月9日 23時) (レス) @page2 id: 22e441d1ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：uyumu | 作成日時：2023年2月7日 13時
