○ ページ30
.
「…、私も好き」
空いている方の手で頬杖をついて、しっかりと目を見つめる。
「好きよ、目黒のことが。」
何も言えないでいる目黒の手をぎゅう、と握りこんだ。
「ちょっと、何か反応してよ。」
とんとん、と爪で手の甲をノックすれば、がたりと椅子の音を立てた。
『っマジ！？』
「マジ。これぐらいじゃ酔わないの、知ってるでしょ。」
『知ってるけど……』
うわ、マジか、と嬉しそうな顔をすると、繋いだ手はそのままに、此方へと回り込んでくる。
「アンタがこんな女選んだんだから。」
ぐっと引っ張られて、大きな手が腰を抱いた。
だから、私も首に手を回す。
「覚悟してね、蓮。」
あの日みたいに、くしゃりと笑った顔が愛おしくて。
体温が、交り合った。
．
「ストップ。」
『え、なんで』
「ここ店だけど？」
『もうハグしてんだしよくね？』
「店員さんに見られたらどうすんの」
『ん〜…まぁ見られたら見られたでいいじゃん？』
「アイドルの自覚どこ行ったんだよ」
『ていうか、俺がしたいから。』
「ちょ、っん、」
『…Aさん、なんか体熱くね？』
「やかましいわ、席戻れ」
『なるほどね、Aさんは熱くなるタイプなん、』
「思いっきりリップついてる。」
『…うわっ恥ずっ、』
「まだまだだな、蓮。」
『…マジでAさんずるいよ、』
「私を選んだ自分を後悔するんだな。」
『え、後悔するわけねぇじゃん。』
「……お前も大概だよ。」
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 873人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レモンパイ(プロフ) - (名前)ミオさん» 感想ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。 (2021年9月28日 18時) (
レス) id: e9cecd82e0 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ミオ(プロフ) - 素敵なお話ごちそうさまでした。色々なお話を読んできましたが、目黒くんのお相手はこんな方だといいなって思っちゃいました。 (2021年9月28日 14時) (レス) @page31 id: dfbbef0672 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：レモンパイ | 作成日時：2021年9月9日 17時
