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目の前のボトルを開封しようとしたところで、電話が入った。
「ん〜？なに？」
『…Aさん？飲んでる？』
「いや、シラフだけど。」
『めっちゃ機嫌いいじゃん。何かあった？』
「ふふ、良いお酒買えたのよ。」
『やっぱ酒じゃん。』
「今から飲もうとしてたとこなの。飲んでもいい？」
一応、声をかけてから今度こそ開封する。
グラスに映える綺麗な色に、思わずにんまりしてしまう。
『いいよ。…あ〜俺も飲んでみたい』
「今度買ってあげるよ。」
『いやそういうことじゃねぇんだよな、』
「うわっまってこれやばい！」
『話聞けよ』
「あ？何か言った？」
『何でもない。それで？美味いの？』
「めっちゃうまい。やばいわこれ。高いだけあるわ。」
『Aさんさぁ、マジで酒好きだよな、』
「目黒も好きでしょ」
『まぁAさんと飲む酒なら好きだよ。』
「ふーん、」
なんか、まずい方向に空気が流れている気がする。
『俺さぁ、』
頼むから、。
『Aさんのこと好き。』
「……そう、」
そう願ったにも関わらず、ダメだった。
まぁその片鱗は薄っすらと感じていたけれど。
『Aさんは別に俺のこと何とも思ってないでしょ。それぐらいわかるよ。』
『けどさ、俺マジで、本気でいくから。』
言うだけ言って、切れたスマホをソファへと放り投げた。
「……やっぱりアホじゃん。」
どうしても、嚙み合わない。
手遅れは手遅れだけど。
「……どうせ、ね。」
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レモンパイ(プロフ) - (名前)ミオさん» 感想ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。 (2021年9月28日 18時) (
レス) id: e9cecd82e0 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ミオ(プロフ) - 素敵なお話ごちそうさまでした。色々なお話を読んできましたが、目黒くんのお相手はこんな方だといいなって思っちゃいました。 (2021年9月28日 14時) (レス) @page31 id: dfbbef0672 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レモンパイ | 作成日時：2021年9月9日 17時
