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ほんと、聞いてないんだが。
目黒から突然電話がきたかと思えば、大雨で電車が止まってて、迎えの車も渋滞で、帰れない、と。
『車とか、出してもらえないすか、ね？』
だめ？なんて言われてしまえば、いいよ、と言うしかなかった。
これは明らかにあの子犬みたいな瞳を思い出してしまった自分の脳のせいだ。
それでいざ迎えに行くと乗ってきたのは目黒ともう2人いて。
お姉さんそれは聞いてないんだけど？
「あ、あの、なんかすみません、」
とはいえこの人たちも帰る方法ないんだよな。
「いいよ、全然。」
んで、後ろの2人より隣のお前だよ。
「目黒。」
『ん？』
「その髪、崩して。」
『へ？』
ぽかんとした顔を此方に向けているのをいいことに、手を伸ばして前髪をぐしゃぐしゃと混ぜた。
バッキバキに固められてんじゃん、これ。
『わ、なに、』
「なにって…一般人でそんなテクノカットいるわけないでしょうが。後ろはともかく前は見えるんだから気をつけてよ。」
よし、いい感じにボサボサになった。
「…前髪あると幼いね、かわいい。」
髪から手を離して、サイドブレーキを下ろした。
「全員シートベルトした？後ろもしてよ、私捕まりたくないから。」
走り始めてすぐ、後ろのうちの1人が話しかけてくれたから、隣のやつが何を喋ったのかなんて、聞こえなかった。
「…めめ照れてね？」
『しょっぴー黙ってて』
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レモンパイ(プロフ) - (名前)ミオさん» 感想ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。 (2021年9月28日 18時) (
レス) id: e9cecd82e0 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ミオ(プロフ) - 素敵なお話ごちそうさまでした。色々なお話を読んできましたが、目黒くんのお相手はこんな方だといいなって思っちゃいました。 (2021年9月28日 14時) (レス) @page31 id: dfbbef0672 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レモンパイ | 作成日時：2021年9月9日 17時
