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blue side
最近、目黒の様子がおかしい。
スマホを見ては難しそうな顔をして、赤色のものを見ては『赤か…』と呟いて。
何より、さっきラウールが入ってきたことに気づいていなかった。あの目黒が。
今も、しかめっ面だったかと思いきや、項垂れて、急に雄叫びをあげて。
今ので水ちょっと零したんだからな。
ティッシュを取りに行くついでに、持っているスマホをちらっと見ると。
赤い爪の女の手が見えた。
「っは！！！？？？」
「うわっ！今度はしょっぴー！？もぉ、なんなの！？」
ごめんラウール、でも今はこっちが優先。
「め、めめ、お前、それ、」
『っえ、』
「おば、け、？」
『は？』
「うそ！？俺しか見えてねーの！？ほら！赤い爪の手！あるじゃん！！」
目黒は目をぱちぱちと瞬きさせた数秒後、ふはは！と豪快に笑い出した。
なんだよ、急に笑うなよ、またびっくりしたじゃねーかよ。
『ふはっ、あー、まじでしょっぴーおもしれー…』
これっすよね、と差し出されたスマホの画面にはさっき見えた赤い爪。
「っこれ！これなに！？」
他のメンバーも覗き込んでは、「なにこれ…」「ホラーやん…」とか若干引いた顔をしている。
『これ、Aさんの手。別におばけとかじゃないよ。』
「…いやいやいや！！」
『なに、しょっぴー。これ生きてる人の手だよ？』
いやいやそこじゃないのよ。
「だれ！？誰よAさんって！」
そうツッコむと、あ、と口元を覆った。
…今の、完全にやったよな。
明らかな反応に、ラウールが飛びついた。
「えっ！めめ、彼女できたの！？」
「うそやん！ちょっとまってよ！俺は！？」
「ワタシとは遊びだったの！？」
…おいまて、最後2人なんかおかしいぞ。
そんな2人を横目に、目黒は苦笑いした。
『違うよ、彼女じゃない。ただの、飲み友達。』
そう言った目黒が、一瞬苦しそうな顔をした。
けれど、どうしても、あの赤い爪が脳裏にこびりついて離れなかった。
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レモンパイ(プロフ) - (名前)ミオさん» 感想ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。 (2021年9月28日 18時) (
レス) id: e9cecd82e0 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ミオ(プロフ) - 素敵なお話ごちそうさまでした。色々なお話を読んできましたが、目黒くんのお相手はこんな方だといいなって思っちゃいました。 (2021年9月28日 14時) (レス) @page31 id: dfbbef0672 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レモンパイ | 作成日時：2021年9月9日 17時
