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この空気から逃げ出したくて、立ち上がって出口に向かおうとしたけれど。
『っえ、ちょっと待って、』
もちろんあの目黒が逃してくれるはずもなく。
「目黒、離して、」
『嫌っす』
「離して、」
『まぁ一回落ち着けって』
「落ち着けるわけ、」
まぁまぁ、と目黒の隣に座らせられて、目の前にどん、とワインボトルが置かれた。
『いいじゃん、俺に吐き出せば。』
「は、？」
『前はAさんが聞いてくれたから、今日は俺が聞く番ってこと。』
「前、？」
『あれ、覚えてねぇの？初めて会った時俺の話聞いてくれたじゃん。』
「覚えて、る、けど、」
ん、とグラスを持たされて、カチンと音がした。
『今日なんかあったんだろ。』
…どうして気づくかな。
「…目黒ってさぁ、」
『ん、』
「野生児なの？」
ぐっと喉が鳴る音がして、隣を見れば口元を抑えて反対側を向く目黒。
波打つ背中を摩ってやると、しばらくして復活したのか、あっぶねぇ、と呟いた。
『…今そういう話だった？』
Aさんの頭ん中わかんねぇ、とグラスにまた口をつけた。
「…上司にさ、可愛くない女だな、って言われてさ、」
今日あったことを思い出すと、言葉がぽろぽろと溢れ落ちていく。
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レモンパイ(プロフ) - (名前)ミオさん» 感想ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。 (2021年9月28日 18時) (
レス) id: e9cecd82e0 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ミオ(プロフ) - 素敵なお話ごちそうさまでした。色々なお話を読んできましたが、目黒くんのお相手はこんな方だといいなって思っちゃいました。 (2021年9月28日 14時) (レス) @page31 id: dfbbef0672 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レモンパイ | 作成日時：2021年9月9日 17時
