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「そろそろ帰る？」
『え、もう？俺まだ飲みたりないっす』
「そうは言ってもどうしようもないでしょ。」
お手拭きを弄りながらまだグラスから手を離さない目黒の目の前で、リップを取り出した。
『…いつも、赤ですよね、』
「何が？」
『リップ』
そう言われて、手鏡に映る自分の唇を見た。
「嫌い？」
喋ると歪む紅い唇は、まるで毒を作る魔女のよう。
ふと、いつかの誰かの言葉が蘇る。
《お前メイクとすっぴん違いすぎじゃね？》
《可愛げないよな》
《守りたくなるような子でさ。お前は1人でも生きていけるタイプだろ？》
あぁ、忘れたつもりだったのに。
一度負った傷は、中々癒えない。
『いや、そういうわ、』
「男ってさ、派手なメイクは嫌いとか言うけどさ、」
「みんながみんな男のためにやってるなんて思わないでほしいわ、」
「そりゃ好みの話ならいくらしてくれても構わないけど、強要すんなって話よね」
「…お願いだから、目黒までそういうこと言わないでね、」
立て続けに言葉を発すると、黙り込んだ。
ごめん、そういう話じゃなかったよね。
分かってる、分かってたんだけど。
「…ごめん、今日の私だめだ、」
「嫌な気分にさせたよね、ごめん、」
最悪だ、私。
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レモンパイ(プロフ) - (名前)ミオさん» 感想ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。 (2021年9月28日 18時) (
レス) id: e9cecd82e0 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ミオ(プロフ) - 素敵なお話ごちそうさまでした。色々なお話を読んできましたが、目黒くんのお相手はこんな方だといいなって思っちゃいました。 (2021年9月28日 14時) (レス) @page31 id: dfbbef0672 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レモンパイ | 作成日時：2021年9月9日 17時
