Two (ページ18)

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18（side Ryota）ページ18

うちに来る時はいつもちゃんと連絡をして来て、なかなか酔わないAが結構酔っ払って急に来た。
珍しく子供みたいに甘えてくるのが、可愛いけど。
手を出すことは簡単かも知れないけど、安心してくれてるんだなって思うと無邪気で愛おしいなという気持ちの方が強くて。
ジャケットだけ脱がせて、着替えを渡して脱衣所に押し込んだ。

「洋服皺になるといけないから、着替えておいで」

『…んー』

だいぶ眠そうだから、ちょっと心配だったけど何とか着替えたAが出て来て足元がふらついた。
咄嗟に抱き留めたら、そのまま抱きついて来て今にも寝てしまいそう。余程疲れてたんだな、と思って抱えてベッドに下ろした。

『涼太も一緒に寝よ』

「…無防備というか危機感がないというか」

『…何て言ったの？』

「我儘だなって言ったの」

『何それ。いいじゃん、昔は一緒によくお泊まりしたじゃん』

「…そうだね。昔の話だけどね」

『今は？一緒に寝てくれないの？』

「…はいはい、分かったからもう寝な」

『起きていなかったら怒るからね』

「大丈夫、何処にも行かないから」

『絶対だよ？』

「うん、分かったから。もう眠いでしょ？おやすみ」

子供の頃と変わらない様子で、子供みたいに甘えてくる姿が可愛くて髪の毛を撫でたら気持ち良さそうに目を閉じて。
すぐに寝息が聞こえて来たから、おでこにキスを落として寝ようとしたけど寝惚けたAが抱き着いてくるからなかなか寝付けない。
人の気も知らないで、自由なところは変わらないな。
…そういうところが好きなんだけど。
それに、今日は翔太に会う事なく俺に会いに来たのかと思うと天使みたいな寝顔をしているAが余計に愛おしく感じる。
疲れて酔って会いたいと思ってくれたのなら、嬉しいし。