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蓮くんが送ってくれた、お土産を大事そうに抱き締めてるラウちゃんの写真。可愛すぎて癒される。
「Aさん、ご新規で指名のお客様です」
『…え?新規?』
出勤して、テーブルを回ってると黒服から意外な言葉を掛けられる。
私は今殆どフリー客に着く時間はないし、顔出ししていないからネットやSNS指名なんて貰った事はない。
だから、新規で指名なんてあり得ない。
でも、お客様が指名なんて行かない理由がなくて。
リップを塗り直して黒服に着いて行くと、VIPに向かっている。
…何か、既視感。
「失礼致します、ご指名ありがとうございます。Aさんです」
恐る恐る、黒服の向こうにいる人物を見ると。
『…阿部くん?』
「来ちゃった」
…相変わらず、あざとい。
それ、女の子が言うやつなんだけど。
何で、て思いながらヘルプの女の子にお礼を言って隣に座る。
可愛らしく首を傾げて手を振る阿部くんと、顔が真っ赤な女の子。
『来ちゃった、じゃなくて。何で此処に?…ひとり?』
「ダテさんに聞いたの、場所。すっごいゴージャスだね」
『なるほど!…じゃないのよ。』
「あはは、何かふっかが言いそう。Aちゃん元気にしてた?」
『…うん、元気。阿部くんは?』
「元気だよ。何かね、めめにAちゃんの話聞いたら会いたくなっちゃって」
『…蓮くんからでも連絡先聞いてくれれば良かったのに』
「それは何か違うじゃん?直接会いたかったし」
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作者名:白雪 | 作成日時:2023年4月2日 11時