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お休みの日に男の子と出掛けるなんて、いつ振りだろう。
深澤と別れてから、何人かお付き合いをしたけどやっぱり私の仕事柄長く続く事はなかった。
辞めて欲しい、と言われてうまく行かなくなることばかり。
分かってる、私が逆の立場でも同じ気持ちになるだろうって思うから。
でも、好きだと言ってくれる蓮くんは仕事の話を一切しなくて。今迄出会って来た人とは何か違うな、て不思議な感覚。
『わ、海…』
「うん。晴れて良かった、昨日阿部ちゃんに天気聞いたら晴れるって言ってたけど当たったね」
『阿部くん？流石だね』
「海、好き？」
『うん、好き。久々に見た…』
「良かった」
屈託なく笑う蓮くんの笑顔が眩しい。
…太陽も眩しいんだけど。
「海も見たかったけど、もうすぐ着く。Aさんお腹空いてる？」
『うん、空いてる』
「じゃあ、取り敢えず飯が先だな」
蓮くんが車を駐車場に停めて、着いた先。
東京から少し離れた場所にある、水族館。
『大丈夫かな』
「何が？」
土曜日だし、人が多いんじゃないかなって思って見上げると全く何も気にしていない様子の蓮くん。
車から降りたら、お構いなしに手を引かれる。
「大丈夫、水族館暗いし」
『…なるほど』
チケットを買って中に入ると、確かに水族館は暗いし皆水槽を眺めているから穴場なのかも知れない。
「イタリアンと和食、どっち？」
『イタリアン』
「俺もイタリアンの気分だった、気が合うね」
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作者名：白雪
| 作成日時：2023年4月2日 11時
