君の彼氏になりたい。 (ページ24)

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阿部くんとさっくんが来てくれた日から数週間が経つ。
月日が経つのは早いもので…もうすぐ三十路を迎えちゃうからかな、なんて少し悲しくなったり。

合鍵をフル活用して、私が帰ればベッドルームで蓮くんが寝てる日もあれば
蓮くんが日中お仕事で居ない時、作り置きをして置いておく日もある。
近くにいるのに新鮮で、この時間が愛おしい。

土曜日の夜、例の如く美容院とネイルサロンだけ行って帰って来たらチロルとお散歩をして。
夜ご飯の支度をしようかな、て時にインターホンが鳴る。
…エントランスじゃなくて、部屋の前。
ドアスコープを覗いたら、また見切れちゃってるラウちゃんの姿。
可愛いな。

『どうしたの？』

「Aちゃん、あのね！今からめめの部屋でご飯なんだけど…男ばっかで味気ないから誘いに来ちゃった！」

『あは。お友達？』

「うん、しょっぴーが今いてね。ふっかさんが今から来るから隠れて待ち構えようと思ってて！」

『…しょっぴーとふっかさん』

「あ、渡辺翔太くんと深澤辰哉くん、てメンバーなんだけど…」

そっか。ラウちゃんは、私と深澤のこと知らないのかも。
そんなに純真無垢な瞳で見つめられたら…断れない。

『ラウちゃんはどこに隠れるの？』

「トイレかなぁ…どうしよ」

『一緒に隠れよっか』

「やった！！やっぱAちゃん神だよー！大好き…あっ！めめには言わないで…」

『あはは。うん、秘密ね』

しょんぼりしたラウちゃんが可愛くて、こっそり一緒に蓮くんの部屋に入る。
渡辺くんはクローゼットに隠れてるみたいで、姿は見えない。
ソファーに座ってた蓮くんが振り向くと、笑いを堪えてる。