君の彼氏になりたい。 (ページ19)

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もっと、時間が掛かるつもりでいた。
俺は好きの気持ちは言葉でも行動でも示さないと気が済まないから、そしたら伝わる時が来るだろうって思ってた。

「やばい、嬉しすぎてヤバいんだけど？」

『何、それ。どれくらい？』

くすくす笑ったAさんの手を取って、左胸に持っていく。
一瞬目を見開いたAさんが、ふわっと笑って目を瞑った。
…やっぱ、睫毛なが。
女の子、て感じで可愛い。

「心拍数早いの、分かる？」

『…うん、早い』

「あのさ、Aさん」

『…うん？』

「帰したくない」

目を瞑って掌から心音を聞いていたAさんが、また目を見開いた。
…まあ、部屋すぐそこなんだけど。

『…うん』

今日のAさんは、俺の想像を遥かに超えてくる。
勿論、良い意味で。
ソファに座る身体を抱えたら、華奢な腕が首に絡みついて。
唇に、柔らかい感触。

『…蓮くん。好き』

「…それは反則だろ」

ベッドルームで、抱えていた身体をゆっくりとおろしたら俺を見上げるAさんの潤んだ瞳がもうヤバい。
触れるだけのキスを何度も重ねたら、深く口付けた。

Aさんは、ハマってしまったら抜け出せないような不思議な魅力に溢れてる。
可愛いだけでも、綺麗なだけでもなくて。
甘過ぎない香りが近くなって、1番近くに居るっていう感覚に愛おしさが込み上げて来る。

「その顔、可愛すぎるからもう誰にも見せないで」

『…何それ』

「俺以外にはもう見せないで」

…ふっかさんも、他の誰も見たことないAさんを独り占めしたい気持ちに強く駆られる。
こんなAさんの表情を見るのは、俺だけでいい。