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Aさんが、めちゃくちゃ美味しい朝ご飯を作ってくれて。
ラウールにどうぞ、てお弁当を持たせてくれた。
朝から幸せな気持ちで事務所に向かったんだけど。
無邪気に喜んだラウールがふっかさんに報告しに行った時、ふっかさんの表情が曇ったのが分かった。
やっぱ、全然引き摺ってんじゃん。
何で、強がるの。
でも、俺はめっちゃ好きだから。譲るつもりは、さらさらないし。
ふっかさんはAさんの過去を知ってるかもしれないけど、今1番近くにいるのは俺だって思ってるし。
…でもちょっと待てよ。
Aさんが仕事してる姿、俺は知らない。
阿部ちゃんは、昨日行ったと。
ダテさんと康二も、行ってる。ふっかさんに連れられて。
「めめ、難しい顔してどしたぁー??!」
「佐久間くんさ、Aさんに会ったことあるんだよね?」
「…Aさん?…あ!ふっかの、」
「佐久間ストップ」
多分、「元カノ」って言おうとした佐久間くんの口を後ろから岩本くんが押さえてる。
「ちょ…照!何だよ、苦しいじゃん!!!」
「はい、休憩終わりー!やるよ」
何だよーって騒がしい佐久間くんは変わらず。
各々休憩していたメンバーが集まって、撮影は再開。
6人は見た事がある、Aさんの学生時代。
康二は見た事がある、Aさんの仕事中の姿。
…ふっかさんに見せたことないAさんが見たい、知りたいって思ったら
撮影が終わってすぐに事務所を飛び出した。
朝、一緒に過ごしたのに俺はもうAさん不足。
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作者名:白雪 | 作成日時:2023年4月2日 11時