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自分じゃない温もりに気付いて目が覚めた。
目の前には、ドアップで蓮くんの寝顔。
『うわっ』
「…ん、おはよ」
『…ごめん、起こした?』
「…大丈夫、今何時?」
寝惚けて時間を聞かれたけど、私の身体は蓮くんの腕がしっかりホールドしていて動けない。
…どういう状況、だっけ。
「Aさん、めっちゃ酔って帰って来てさ。ふらついたから支えたら寝落ちしたの」
『…ごめん』
「何で謝るの?可愛かったし嬉しかった、俺は」
『…運んでくれた?』
「うん。クレンジングしないとってうわ言言ってたから落としといたよ、チロルも連れて来た」
『…何という大失態』
「流石に洋服脱がせる訳にはいかなかったから、ワンピース皺になってるかも。ごめん」
『…いいの、ワンピースなんて。本当にごめん』
「相当飲んだの?」
『…恐らく。でもこんな風になっちゃうことは今までなかったの』
「そっか。無理はしないでね」
『…ありがとう。あ、蓮くんお詫びに朝ご飯作るよ』
「マジで?良いの?っしゃあ!」
『ハードル上げないで』
「Aさんの味付け好きだから。雑炊も本当美味しかったしラウールもまた食べたがってたよ」
『今日、ラウちゃんに会う?』
「うん、撮影だから会うよ」
『キッチン借りる』
「Aさん、お風呂は?」
…確かにお風呂は入りたい。
部屋戻って入ってから来ようかな。
『お風呂入ったらご飯作りに戻って来るね』
「分かった。…あ、そうだ。これ」
『…鍵?』
「合鍵持ってて。何かあった時1番近くにいるのAさんだし」
『…じゃあ私のも持っててくれる?』
「うん。何かすげー嬉しいんだけど。こういうのって良いね」
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作者名:白雪 | 作成日時:2023年4月2日 11時