Feel the light,Lovely (ページ5)

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深澤と付き合うようになったのは、高校2年の時。
同級生の深澤はもう異常なくらい女子にモテていた。
チャラい人なんだなって、自分で警戒心を持つようにしていたつもり…だったけど。
モテる男性特有の、さりげない優しさや気遣い、仕草や柔らかい口調。今思えば当時男性経験もなければ恋愛には消極的な私からしたら魅力的に思える要素はパーフェクトに揃っていて。

初めての「彼氏」、初めての色んな「経験」はほぼ全てが深澤に教えられたことで。
本当は、私が思うよりも、深澤が思ってたよりも…ずっと私は深澤が大好きだった。
だから、絶対に自分から「好き」だと言わない深澤は掴みどころが本当にない。

「Aは、俺のことどう思ってるのー？」

『…好き、だよ』

「だよねぇ。顔に書いてあるもん、分かりやす。かーわい」

そんな会話を重ねる以外は、特に不満なんてなくて。
深澤はいつだって優しかったし、大事にされてるのかな？て期待は持っていられた。
でも、絶対に「好き」とは言わない。
好きって言われなくて、私だけが好きなんじゃないかって不安になっちゃうと負のループ。

好きになって暫くは、好きだって気持ちだけで保っていられたんだ。
でも、途中からやっぱ良くないなって思って別れを告げた。
好きだから、終わりにした。

…案の定、深澤が私を引き留めることなんてあるはずもなく。
あっけなく私の初恋は終わりを閉じた。

もう、私から好きだって言いたくない。と言うトラウマ。
何となく踏み入れた夜の世界は、
男性から好意を持って頂くことが仕事。
好きって言わない方がうまくいく。

恋愛耐性も然程ない私だけど、うまく交わすスキルを積み上げるだけで売上が伸びて3か月でナンバーに入った。

…初めて、やりがいがあると思ったし
こんなこと思うのは誰にも言えないけど、いつか深澤を見返してやる。そんな気持ちが功を奏して安定した売上を毎月叩き出していて。

それでも、どこか空っぽな私の前に深澤はいきなり現れたの。