Feel the light,Lovely (ページ37)

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タクシーに乗り込んで、着いた先は深澤のマンション。
聞きたいことがたくさんあり過ぎて、よく分からない。

「A、取り敢えず座って」

『…うん』

ソファをぽん、と叩かれるから言われるがままにそっと腰をおろすとすぐにふわっと深澤の香りに包まれた。

「ラストイベント、だっけ？お疲れ様」

『…蓮くんの、おしゃべり』

仕事を辞めること、蓮くんにしか話してない。
だから、深澤が知ってるとしたら絶対に蓮くん以外から知る術なんかなくて。

「なーんで言ってくれないの。寂しいじゃん」

『言う必要ないもん』

「辛辣過ぎるだろ！…まあいいや、改めて誕生日おめでとう」

『…ありがと。記憶力良いね』

「誕生日を節目に、辞めるって決めてたの？」

『うん』

仕事を辞める話はしたけど、蓮くんには誕生日のことは話していない。
だから余計に、深澤が私の誕生日をずっと覚えていてくれたことにビックリする。
…でも、素直に嬉しい。

「じゃあさ、もうAのこと独り占め出来るってことだよね？」

『…何の話？』

抱き締められていた身体が離れたと思ったら、深澤がポケットから青いボックスを取り出した。
開けたら、ビックリする位大きなダイヤモンドがセッティングされてる指輪。
…何？

「A、今までちゃんと好きって言えなくてごめん。俺、好きって言葉は結婚する時まで取っておくって決めててさ」

『…え？待って、何の話』

「好きだ、俺と結婚して」

『…は？』

深澤が言ってる意味がすぐに、飲み込めない。
うまく、呼吸が出来ない。

やっぱり、今日は飲み過ぎたのかな。