Feel the light,Lovely (ページ36)

今日:14 hit、昨日:5 hit、合計:104,625 hit

36 ページ36

節目を迎えたら、ちゃんと終わらせようと思っていた。
2年くらい前からずっと心に決めていたこと。

だから、普段行かないアフターもお礼の気持ちを込めて付き合いでこなしていた。
慣れないことをしたから、疲労が溜まって倒れてしまって。
結果、阿部くんには偶然再会してしまうし
深澤の家に連れて行かれてしまうと言う失態。

色々考えてしまうと、最後まで走り切れる気がしなくて色々とシャットアウトをして仕事の事だけを考えた。

仕事を終えて、エレベーターを降りると見慣れたシルエットが視線に入る。
…疲れてるのかな。

「おーい、無視すんな」

『…何してんの』

「誕生日おめでとう…って日付変わっちゃったけど」

『…幻？』

「そんな訳ねーじゃん、すっげー花束だな。荷物多いね、貸してみ」

『…ちょっと、思考回路が追い付かないんだけど』

「腹減らね？何か食お」

『ねえ、人の話聞いてる？』

「聞いてる、だから俺の話も聞いて」

『…分かった、じゃあ後日連絡するから』

「ダーメ。今日じゃなきゃ駄目なの、荷物多いから取り敢えず帰ろ」

両手いっぱいだった荷物が軽くなって、空いた方の手を繋がれる。
酔ってるのかな、私。

『…深澤、何で』

「帰ったら話そう。大事な話がある」

初めて見たかも知れない、深澤の真剣な表情。
…初めてじゃないかも知れないけど、私が知ってる中では過去一真面目な顔をしてる。