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「じゃあねー!またね!」
阿部ちゃんのあざと可愛さに、ペースがすっかり持って行かれてしまった。帰り際の手の振り方もいちいち可愛い。
話していたら、博識だし話の引き出しが多くてあっという間に時間が経っちゃった。
クイズ番組の収録があるから、勉強したいっていう阿部ちゃんを見送って蓮とふたり。
「Aさん、阿部ちゃん推しになっちゃった?」
『いや、推しとかは…』
「顔は翔太くんが好きだもんね?」
『…まあ、塩顔は好きなんだけど』
「あはは。そこは、認めるんだ」
『…何か、今日…蓮、意地悪じゃない?』
「全然そんなことないよ。送ってく」
『…ありがと』
「…な訳ないじゃん」
『…え?』
やっぱり、今日の蓮はいつになく意地悪。
黙って手を繋いで歩いていくから、着いていくけど。
わたし、何かしたかなって不安になってたら立ち止まる。
『…蓮?』
「こないだ。また来る、て言ったよね」
『うん』
「じゃ、それ今日で」
『…うん』
「少し、歩こう。足痛くない?」
『平気』
「良かった」
意地悪かと思ったら、本当に安心した顔をした蓮が屈託なく笑うから。
本当に綺麗だな、て思って視線が離せなくなる。
「見過ぎ、恥ずかしいから」
『…綺麗だなって思ったから』
「Aさんってさ、素直だよね」
『そうかな』
「うん。今日も阿部ちゃんに会ってすぐ可愛いって言ってたし」
『失礼だったかな?』
「いや、喜んでたし。人を褒めることって素敵じゃん」
『…癖なんだよね、人の良いところ見つけるのが好きなの』
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みか - 何げに好きで読んでます (2023年2月19日 10時) (レス) @page34 id: 1401b2d248 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白雪 | 作成日時:2023年2月4日 23時