#1 Girl (ページ6)

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「お疲れ様でした」

マネージャーに声を掛けられてハッとする。
さっきまでご一緒していた、玉森さん。
めちゃくちゃ綺麗でビックリした。異次元？
住む世界が違う人がこの世に舞い降りて来てしまったんじゃないかとさえ思ってしまう。

『緊張した』

「珍しいですね、でもお2人のオーラがお美しくて映像が楽しみです」

『あ、そうね。映像ね』

「MVもご一緒します」

『え？』

何か、展開凄すぎない？挿入歌だけでもかなり大きなタイアップなのに、映画にも出て、MVって。
…ん？

『どっちの？』

「こちら側です。良い曲作りましょう」

『…炎上とかやめてよ？』

さっき。
玉森さんに連絡先の交換を提案されて、本当は動揺した。
何となくだけど、あまり深い関わりを持つとよくないって脳が察知して。
まあでも、きっと良い作品を作りたいんだなって感じたし気持ちは分かるから。
音楽もおなじ。良い作品を作りたい、て熱を込めてる時間がわたしは大好き。

それに、映画の撮影は長丁場になるから。
チームワークが大事なのは日々感じてる。

『ちょっと艶っぽいイメージだよね』

「はい、セクシーな白石さんもファンは好きだと思いますので」

にこにこ嬉しそうなマネージャーの表情が嬉しくて、この人は私のスイッチを押すのが本当に上手だなと思う。
有り難いことに私のファンの方は女性が9割。
世界観に共感して下さる方が多くて。
…今までも男性モデルさんに出演していただいたことはあるけど、相手が玉森さんとなると…
ビックリするよね。絶対。

あっという間に自宅に着いて、ベッドにダイブ。
今日は色々考え過ぎて疲れてしまった。

明日から目まぐるしい毎日が待っている。
今まで以上に頑張らなきゃ、て頬っぺたを叩く。

バスタブにお湯を張って、バスソルトをさっと溶かす。
目を瞑って、映画の内容から曲の世界観を思い浮かべていたら玉森さんの顔がパッと浮かぶ。

『…綺麗な人だったな』

独り言がバスルームに響く。
あ、しまった。
連絡先交換したのにご挨拶も送ってない。

お風呂を上がって髪の毛を乾かしたら、TVのリモコンに手を伸ばす。
何となく、Kis-My-Ft2さんの曲を知りたくなってYouTubeで探してみた。

ダンサブルな楽曲からミディアムバラードまでたくさんの楽曲。
しっとり歌い上げるものから、ダンスナンバー。

…すご。