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今日は映画撮影メンバーで打ち上げ。
主題歌を歌うアーティストもゲストで来るから、キスマイの皆さんも一緒。
全員揃って会うのは何気に初めてかも。
「Aちゃん！」
『玉ちゃん』
毎日が濃かったから、こうやって久々に玉ちゃんに会うと嬉しくなる。
いつもの仔犬みたいな笑顔に落ち着く。
監督に呼ばれて、玉ちゃんが行ってしまって。
遠くから眺めてると、人見知りしながら関係者に挨拶しているのが分かって何だか笑ってしまう。
「お疲れ様でした」
『あ、お疲れ様でした』
いけない、私もしっかりご挨拶しないと。
スタッフさんのお顔は覚えているつもりだけど、どうも見覚えのない男性に話しかけられて背筋がピンと伸びる。
「いやあ、濡れ場良かったっスよね〜！あれってガチで？実際玉森くんと付き合ったりしてるんですか？」
『…いえ』
「へー。白石さんって彼氏いるんスか？」
『音楽が恋人です』
…何か嫌だな。
でも、こんなものなのかな？
兎に角、打ち上げと言っても仕事だからしっかりしなきゃ。
「立候補しようかな〜、俺」
『あはは』
「結構本気なんですけど、どうです？良かったら打ち上げ抜けません？」
『この後もご挨拶があるので…』
「えー、いいじゃん。別に。主演は玉森くんなんだから抜けても差し支えないでしょ？」
『…』
「ほら、行こうよ」
かなり強引に手首を掴まれて。
何、この人。業界の人ってこれが普通なの？
だとしたら、わたしは今後…
「どうも」
『…！』
「「主演」の玉森です。ただ、Aはヒロインなので抜けて貰ったら困るんですよね」
私を掴んでいた男性の手を払い退けて、握手を求める玉ちゃん。
怯んだ男性は、言葉に詰まって走り去ってしまった。
『ありがとう…』
「お馬鹿さん」
おでこに、コツンとおでこがぶつかる。
「あのね、Aちゃん。ああいう奴も確かに居なくはないけど、イレギュラーだから…我慢しなくていいんだよ」
『…っ』
「怖かったね、ごめんね。1人にして」
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作者名：白雪
| 作成日時：2023年1月28日 1時
