173 You side ページ24
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深澤「はぁ……。あの時、涙が枯れるくらい泣いたつもりだったのになぁ。」
ふっかはこの空気を打破するように、そんなことを口にする。
"あの時"っていうのはきっと、私が居なくなったあとの話なんだろう。
ふっかは今この世界の誰より、私と亮平を想ってくれている。
深澤「……阿部ちゃん。ちゃんと、今のAと向き合いな。」
亮平の葛藤とか、私が知らない亮平の気持ちを知っている上で、彼は私たちの味方で有り続けてくれている。
そんなふっかの優しく強い言葉が、背中を押していた。
深澤「Aがここまで言ってんのに、阿部ちゃんへの想いが同情や懐かしさなわけないでしょ？先生とか生徒とか、そんなの今更壁でも何でもない。大事なのはさ、阿部ちゃんとA、二人がどうしたいかでしょ？」
阿部「、」
深澤「また、生きて会えたんだから。」
あの頃の私たちなら、きっともっとスムーズに思い合えたんだろう。
周りのこととか気にする必要のなかった、同い年で幼馴染の二人なら。
ただ、もう今はそう簡単なことじゃない。
先生と生徒。
大人と子ども。
世間から見た評価、たくさんのしがらみ。
誰かを傷つけることになる可能性も。
そんな未来に不安になることも、もちろんあるけれど。
なぜだか、私は二人でなら乗り越えていけるって確信してる。
だって私たち、再会するっていう何より難しい奇跡を起こせたんだもん。
そんな想いを伝えるように、私は亮平の手に触れる。
一瞬で引っ込められそうになったその手を、もう二度と離さないようにゆっくりと握りしめた。
阿部「……A？」
「ん？」
覚悟を決めたような亮平の目が私の視線と交差する。
阿部「俺と、付き合ってくれますか？」
「っ、はい。」
プロポーズではないのに。
なんだか、一生そばに居てくれる？と聞かれている気がしてしまう。
恥ずかしいけどしあわせで。嬉しいけど照れくさい。
阿部「〜〜っ、ああもう。かわいすぎる。」
「はい？！？！」
深澤「ふはっ、ようやく阿部ちゃんのストッパーなくなったね？」
ぎゅっと亮平に抱きしめられながら肩越しに見たふっかは、私たちをからかいながらしあわせそうに笑っていた。
しあわせがもし目に見える形であるのだとしたら、今の私たちなのかもしれない、なんて思った。
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たぬ(プロフ) - 朝桐さん» 最後まで読んで頂けただけでも嬉しいのに、宝石みたいにキラキラした素敵な感想をありがとうございます。頂いた言葉全てが宝物です。こちらこそ出逢ってくださりありがとうございました。 (3月21日 23時) (
レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
朝桐(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました！涙なしでは見れなくて、とても生きててよかったと、見れてよかったと。運命といいますか奇跡にただ救われました。執筆活動お疲れ様です。今後のたぬ様の日々が愛に溢れますように。本当にありがとうございました！ (3月18日 22時) (レス) @page43 id: db8064d0f2 (このIDを非表示/違反報告)
たぬ(プロフ) - みみみさん» お読み頂き、素敵な感想までありがとうございます。楽しんで頂けたのなら本当にすごく嬉しいです！こちらこそ、ありがとうございました！ (9月6日 23時) (レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
みみみ - 今日初めて見つけたこの作品、１話から今まで全部いっきに読みました☆本当に素敵な作品でした😊ありがとうございました！！ (9月2日 17時) (レス) @page43 id: 10d256d720 (このIDを非表示/違反報告)
たぬ(プロフ) - 桜色さん» とっても優しくて愛のある感想を送ってくださってありがとうございます。どの言葉もとても勿体ないくらいですごく嬉しいです。最後まで読んで下さってこんな素敵な感想まで下さって、こちらこそありがとうございます！ (6月5日 22時) (レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たぬ | 作成日時：2022年8月24日 22時
