150 Abe side ページ1
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何故か頭に浮かぶ目的地は一つだった。
こんな広い学校の中、そこに彼女がいる保証なんてないのに。
でも、何故か俺は迷いなくそこに向かっていた。
阿部「はぁっ、はぁ、っ、くそっ！」
自分の身体が重くて煩わしい。
１分でも、１秒でも早く、俺はそこに行きたくて、彼女に会いたくて＿＿＿。
Aの事故の知らせを聞いた時以来の全速力を出して、ようやく目的地に辿り着いた俺は、ノックもせず無遠慮に彼女が所属している美術室の扉を開けた。
＿＿＿＿バンッ！
勢いよく開けた扉は、思いの他、大きな音をたてる。
でも、そこには、求めている人の姿はない。
阿部「っ、はぁ。……はぁ、」
俺は全身の力が抜けていくような感覚に包まれながら、ゆっくりと、美術室に一歩足を踏み入れる。
一歩、また一歩と足を進め、恐る恐る奥へと入っていく。
美術室の奥の倉庫に、美術部員の作品が保管されているのを知っていたから。
直感だった。
それを見たら、わかるはず。
全ての答えが。
俺は乱れた息を整える余裕もなく、震える手で倉庫の扉を開けた。
部員ごとに整理され作品が保管されているそこ。
渡辺Aと書かれた引き出しに、俺はゆっくりと手を伸ばした。
阿部「っ、なんで＿＿」
そこには特別で大切だった何よりも愛しい人の作品に、とても良く似た作品たち。
何故？
どうして？
俺の地元。
Aとよく行った公園、俺のおばあちゃんの家、海。
俺にとっても懐かしい、Aがよく描いていた景色がそこには広がっていた。
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たぬ(プロフ) - 朝桐さん» 最後まで読んで頂けただけでも嬉しいのに、宝石みたいにキラキラした素敵な感想をありがとうございます。頂いた言葉全てが宝物です。こちらこそ出逢ってくださりありがとうございました。 (3月21日 23時) (
レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
朝桐(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました！涙なしでは見れなくて、とても生きててよかったと、見れてよかったと。運命といいますか奇跡にただ救われました。執筆活動お疲れ様です。今後のたぬ様の日々が愛に溢れますように。本当にありがとうございました！ (3月18日 22時) (レス) @page43 id: db8064d0f2 (このIDを非表示/違反報告)
たぬ(プロフ) - みみみさん» お読み頂き、素敵な感想までありがとうございます。楽しんで頂けたのなら本当にすごく嬉しいです！こちらこそ、ありがとうございました！ (9月6日 23時) (レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
みみみ - 今日初めて見つけたこの作品、１話から今まで全部いっきに読みました☆本当に素敵な作品でした😊ありがとうございました！！ (9月2日 17時) (レス) @page43 id: 10d256d720 (このIDを非表示/違反報告)
たぬ(プロフ) - 桜色さん» とっても優しくて愛のある感想を送ってくださってありがとうございます。どの言葉もとても勿体ないくらいですごく嬉しいです。最後まで読んで下さってこんな素敵な感想まで下さって、こちらこそありがとうございます！ (6月5日 22時) (レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たぬ | 作成日時：2022年8月24日 22時
