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指定の時間に亮平は車で迎えに来てくれた。
待ち合わせ場所についた時、遠くから見てもソワソワ落ち着かなさそうに待つその姿に愛おしさがこみ上げる。
そして、私を見つけて嬉しそうに手を振る亮平に、胸がキュンと苦しくなる。
昨日の今日で、夢みたいな話。
まさか亮平が運転する車に乗る日が来るなんて、昨日までの私には想像もできなかった。
阿部「…ふふ。すごく視線を感じるなぁ。」
「あっ、ごめん。亮平が車運転してるの不思議で……」
阿部「……うん。俺も、不思議。Aを隣に乗せることができるなんて。奇跡みたいで緊張してる。」
そう言って笑う亮平の顔は、確かにいつもより強ばっていて。
……そっか。
お互い、緊張してるよね。
だってもう一緒に居た期間より、離れていた時間の方が長いんだもん。
「へへ。なんか不思議。亮平の隣にいるって、すごく緊張もするけど、安心もするの。」
阿部「……Aらしいなぁ。俺もだよ。」
信号を曲がるためにハンドルを切るその横顔は、口角があがっていた。
嬉しそうな亮平に、私も嬉しくなって、本当のことを伝えてよかったのかなんて、昨日の夜よぎった不安が少しずつ昇華されていくのを感じる。
＿＿＿きっと、これでよかったんだ。
15分ほど走ったところで亮平が車を停めたそこは、オートロックのオシャレなマンション。
こんな所に一人で住んでるんだ……。
阿部「A？」
「あ、ごめん。……亮平は大人なんだなぁって改めて思って。今更、なんだけど……」
阿部「……そうだね。あ、でも、部屋は散らかってるかも。昨日ある程度片付けたつもりなんだけど！」
「ふふ、昔から片付けるの苦手だもんね。」
阿部「そうそう。変わったところもあるけどね、きっと変わってないところもたくさんあるから、これからゆっくり見つけてよ。」
「……うん。」
これから、という言葉が心に響く。
そうだ。
変わったことを嘆くんじゃなく、今の亮平を知ろう。
離れていた時間を悔やむんじゃなくて、これからで埋めていこう。
静かにそう心に決めて、私は亮平のお家に足を踏み入れた。
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たぬ(プロフ) - 朝桐さん» 最後まで読んで頂けただけでも嬉しいのに、宝石みたいにキラキラした素敵な感想をありがとうございます。頂いた言葉全てが宝物です。こちらこそ出逢ってくださりありがとうございました。 (3月21日 23時) (
レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
朝桐(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました！涙なしでは見れなくて、とても生きててよかったと、見れてよかったと。運命といいますか奇跡にただ救われました。執筆活動お疲れ様です。今後のたぬ様の日々が愛に溢れますように。本当にありがとうございました！ (3月18日 22時) (レス) @page43 id: db8064d0f2 (このIDを非表示/違反報告)
たぬ(プロフ) - みみみさん» お読み頂き、素敵な感想までありがとうございます。楽しんで頂けたのなら本当にすごく嬉しいです！こちらこそ、ありがとうございました！ (9月6日 23時) (レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
みみみ - 今日初めて見つけたこの作品、１話から今まで全部いっきに読みました☆本当に素敵な作品でした😊ありがとうございました！！ (9月2日 17時) (レス) @page43 id: 10d256d720 (このIDを非表示/違反報告)
たぬ(プロフ) - 桜色さん» とっても優しくて愛のある感想を送ってくださってありがとうございます。どの言葉もとても勿体ないくらいですごく嬉しいです。最後まで読んで下さってこんな素敵な感想まで下さって、こちらこそありがとうございます！ (6月5日 22時) (レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たぬ | 作成日時：2022年8月24日 22時
