179 Fukazawa side ページ30
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よく行くゲームセンターで、Aが欲しがったぬいぐるみを狙う。
想定通りにアームはタグに引っかかり、大きなそれを出口まで運んでいく。
「わ！！ふっかすごーい！」
「うわ！やば！って、A、さっきからふっかのこと褒めすぎじゃね？」
出口までもうすぐ。
だけどアームの力が思ったよりも弱くて、ぬいぐるみが落ちる直前にタグから離れてしまった。
「あっ、惜しいー！って、私達が話しかけたからかな？！」
「そんなわけねーだろ。ふっかの力不足だわ。」
深澤「ちょっとおふたりさん。さっきから人のこと上げたり下げたりすんのやめなさい？わら」
賑やかに隣ではしゃぐのは、渡辺兄妹。
どうしてこうなったかっていうと、まあ普通に俺がAをご飯に誘ったら、どこでAの予定を把握したのか過保護なお兄ちゃんまで付いてきたという簡単なオチ。
「ふっか〜これ取れないっ。」
渡辺「ふっかに言う前に俺を頼れよ！」
「だって翔太くん、クレーンゲーム得意じゃないじゃん……」
渡辺「そうだけど！！お前がまずふっか頼るのが嫌！」
相変わらずな翔太くんを見ながら、俺はこの不思議な時間を振り返る。
阿部ちゃんとはあれからもたまに飲みに行く。
まだ未成年のAは来れない、馴染みの居酒屋で。
いつも酔うと最後には椎名Aの名前を口にして寂しそうにしていた阿部ちゃんが、あれからはAの名前を呟きながらにやけて眠る。
いつの日か寒い夜空を見上げて阿部ちゃんの幸せを祈っていたことなんか遠い昔に思うくらいに、今はそれはもうしあわせそうな顔をする阿部ちゃん。
「翔太くん！？最初より遠くに転がっちゃったよ！？」
渡辺「うわっ！これはミス！！ごめんって！」
俺に代わってAが欲しがるぬいぐるみを取ろうと画策する翔太くん。
逆に遠くに行っちゃったぬいぐるみを見て「もぉ〜」って言いながら楽しそうに笑ってるA。
なんか、いいよね。こういう時間。
もう同級生じゃないけど。
もう一生、戻れないけど。
深澤「よぉし。じゃあこのお兄さんが取ってあげましょうかねぇ。」
腕まくりして、俺は二人の元へ歩いていく。
渡辺「うわ！そのドヤ顔やだわ！」
「こら！翔太くんっ」
深澤「ふはっ。相変わらず失礼だな！わら」
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たぬ(プロフ) - 朝桐さん» 最後まで読んで頂けただけでも嬉しいのに、宝石みたいにキラキラした素敵な感想をありがとうございます。頂いた言葉全てが宝物です。こちらこそ出逢ってくださりありがとうございました。 (3月21日 23時) (
レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
朝桐(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました！涙なしでは見れなくて、とても生きててよかったと、見れてよかったと。運命といいますか奇跡にただ救われました。執筆活動お疲れ様です。今後のたぬ様の日々が愛に溢れますように。本当にありがとうございました！ (3月18日 22時) (レス) @page43 id: db8064d0f2 (このIDを非表示/違反報告)
たぬ(プロフ) - みみみさん» お読み頂き、素敵な感想までありがとうございます。楽しんで頂けたのなら本当にすごく嬉しいです！こちらこそ、ありがとうございました！ (9月6日 23時) (レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
みみみ - 今日初めて見つけたこの作品、１話から今まで全部いっきに読みました☆本当に素敵な作品でした😊ありがとうございました！！ (9月2日 17時) (レス) @page43 id: 10d256d720 (このIDを非表示/違反報告)
たぬ(プロフ) - 桜色さん» とっても優しくて愛のある感想を送ってくださってありがとうございます。どの言葉もとても勿体ないくらいですごく嬉しいです。最後まで読んで下さってこんな素敵な感想まで下さって、こちらこそありがとうございます！ (6月5日 22時) (レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たぬ | 作成日時：2022年8月24日 22時
