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それから数日、彼女との接点はなく。
もちろん、物理の授業で見かけることはあったけど、彼女はあれから一番後ろの席に座ることが多くなってしまって、なかなか声をかけるタイミングもなくて。
俺は俺で、高校3年生というクラスを受け持ったことでやらなければならない仕事は去年以上。
目まぐるしく毎日を過ごしていた。
………………………
………………
渡辺「阿部ちゃ〜ん」
職員室で自席に座っていると、突然後ろから呼びかけてきたのはクラスでもなかなかの問題児、渡辺。
問題児といっても悪いことをする訳では無く、とにかく服装とかの校則を守らないのだ。
この間の入学式もいくら静止しても妹さんを送るって教室を抜け出してしまうし……
阿部「こら、先生をつけなさい先生を。どうした？」
渡辺「阿部ちゃん先生、みんなの進路希望調査持ってきたよ。」
こんな感じでちゃんと任されたことはやる奴なんだけど、今も既にシャツのボタンは上から3つほど開けられているし、腰パンだし……
阿部「あぁ、ありがとう。それと服装。どんだけ中身がちゃんとしてても、それだけで評価されることもあるんだから、ちゃんとしとくに越したことはないよ。」
渡辺「えぇーこれがオシャレなのに。阿部ちゃん堅いなあ。……んじゃ、俺、部活行くわ。」
阿部「あ、」
渡辺「ん？」
阿部「ぁ、いや、妹さんは、元気……？」
我ながら不自然すぎる……
だけど、もうしばらく彼女と話していない、と思ったら思わず兄である彼にそんなことを尋ねてしまっていた。
渡辺「阿部ちゃんってさ、」
阿部「ん？」
渡辺「……いや、なんでもない。Aは元気だよ。貧血も入学式以来大丈夫そうだし、学校帰ってからも家の手伝いとかしてるし。」
阿部「へぇ、偉いね。」
渡辺「まあな。あいつは昔っから俺とか親に迷惑とか掛けたことねーよ。」
自分のことのように誇らしげに語る彼はきっと妹のAさんのことが大好きなんだろう。
渡辺「昔っから大人びてて、頭も良くてさ。ほんとに俺と兄妹なのか？！って言われるくらいだったし。」
阿部「ふふ、」
渡辺「……おまけにかわいいから、変な男が寄ってこないよーにするのが大変だわ。」
渡辺は俺の方を見てニヤっと笑ってそう言うと、職員室を出ていった。
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たぬ(プロフ) - るる様 ご指摘ありがとうございます！気付いておりませんでした、、外させて頂きました。教えて頂いてありがとうございます！ (2021年10月18日 20時) (
レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
るる - オリ フラﾀﾄした方がいいかもです(><) (2021年10月18日 17時) (レス) id: 0fbeefd96e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たぬ | 作成日時：2021年10月17日 11時
