27 ページ28
.
翔太くんの後ろから、静かに近づいてくるその人に、また、全身の血が目まぐるしく巡るかのように、鼓動が音を立てる。
さっきよりも近い距離で見るその人の姿は、まだ背の小さかった中学生の彼と比べると随分と大きくなっていて。
「…っ、亮平……」
思わず、口から漏れたその人の名前。
もう二度と、本人に呼ぶことはないと思っていた。
もう二度と、出会えないと思っていた。
前世では毎日、何度も、数えきれないほど呼んだその名前。
切長な目元も、三白眼なその瞳も、笑うと目元にできる皺も……
昔とちょっと変わってて、
だけどなぜか昔とちっとも変わらない気持ちになる。
亮平だ。
夢じゃなかった…。
亮平が、目の前に、いる。
阿部「？」
私が名前を呼んだことに驚いたのか、一瞬、驚いた顔した亮平と視線が交わる。
阿部「渡辺さんどうして、」
何かを言いかけた亮平の言葉は、翔太くんの「なぁ〜阿部ちゃん、今回はかわいい妹の一大事に免じて、見逃してくれよ！」って声に遮られた。
亮平は、翔太くんに「あのねぇ、サボりすぎて進級がやばくなったのが去年の話だって覚えてる？これ以上出席足りなくなったら大学のスポーツ推薦できなくなるからな？」って、昔私に叱っていた時よりちょっとだけ厳しく、苦言を呈している。
そんな亮平と翔太くんのやりとりは、見た目だけじゃなくて、きっと中身も昔の亮平のままなんだなって思えて…。
未だに胸のドキドキは鳴り止まないまま、ただただ二人のやりとりを見つめた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 370人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
たぬ(プロフ) - るる様 ご指摘ありがとうございます！気付いておりませんでした、、外させて頂きました。教えて頂いてありがとうございます！ (2021年10月18日 20時) (
レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
るる - オリ フラﾀﾄした方がいいかもです(><) (2021年10月18日 17時) (レス) id: 0fbeefd96e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：たぬ | 作成日時：2021年10月17日 11時
