雪の華【青】特別編 (ページ1)

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小瀧 . 01 ページ1

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Aを置いて引っ越してきて、
もう3年が経つ。

手紙1枚だけを残してきた俺のことなんか
あいつはきっと嫌いになるだろう。

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〝 Aのことよろしくな〟

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流星には格好付けてそう言ったけれど
本当は俺が傍に居たかった。

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涙も笑顔も、怒った顔だって
全部俺が独り占めがしたかったのに。

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引っ越してしばらくは立ち直れずに
涙の日もあったっけ。

それも、もう過去の話で。

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「望～、手紙届いてるで～」

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母から受け取った封筒には

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〝藤井流星平塚A 〟

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俺の大好きな2人の名前が並んでいて、
あぁ、そういうことか、とすぐに悟った。

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『 ... 良かった』

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結婚式の招待状と
丁寧に書かれたAからの手紙。

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やっぱりお前らには勝てへんよ。

お似合いすぎて、俺の入る隙なんてあらへん。

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『もしもし、流星？』

「久しぶりやな」

『結婚するんや、おめでとう』

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流星は相変わらず口数が少ない。

祝福の言葉を伝えても
声色ひとつ変えずに、ありがとうと一言。

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「 ... 絶対来てな」

『当たり前やろ』

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俺の、最初で最後の一目惚れ。

心の底から惚れ込んだ女と、
親友の晴れ舞台。

俺が選んだ道は間違っていなかったんだ。

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