近すぎて遠い距離【Daiki.Shigeoka】

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大毅の発言に


頭が思うようについていかない。



重『彼女に言われたんよ。大毅の好きな人は私じゃないって』


「、、、」


重『本当はな、心の何処かでAの事が好きやって気づいたったんやけど怖かったんねん』


「、、怖かったって？」


重『自分の気持ちを認めたら彼女の事を傷つける事なるし、、、Aとの関係が壊れたらどうしようって。情けないよな〜』



そんな風に思ってだんだ。



「私も、、、大毅との関係が壊れたら嫌だなと思ってずっと自分の気持ち隠してた」


重『あの日Aに告白されてから、やっぱりAの事好きやって気づいて』


「、、、うん」


重『多分やけど俺の気持ちに彼女も気づいて身を引いてくれたんやと思う』


「素敵な彼女さんだね」


重『ホンマに。俺にはもったいないくらいの人やったよ』


「『、、、』」


.


さっきまで喋り続けていたものの


一度黙り込んでしまうと


お互い何から話したらいいのか分からず


沈黙する時間が続いた。


何十分か前に私の事を


1人の女性として好きだと言ってくれたけれど


未だに大毅のこの言葉を信じていいのか


分からない自分がいて


何十年も想い続けた片想いが


ようやく実って嬉しい筈なのに


今起きている状況が


嘘なんじゃないかって


思ってしまう自分と


大毅の事を信用できないというより


自分に対して


自信が持てない。



.


重『Aの事やから直ぐには信じてくれないと思ってる。、、、けど俺は本気やで』


「、、、」


重『本気でAの事好きなんよ』


「あ〜もう！！私の人生大毅に振り回されてばっかり」


重『えっ！そんなに俺振り回してたか！？』


「振り回してたよ。大毅が結婚するって知って、大毅への気持ち忘れようって思ってたのに、、、」


重『、、、』


「そしたら急に結婚しなくなった挙句彼女に振られたって、、急に言われても意味わからないし」


重『、、意味わからんよな。自分でも思うわ』


「更には、、私の事、、、好きとか、、、言い出すし。どれだけ私の事振り回せば気が済むのよ」


重『ごめん。振り回してたなんて気づかんくて』



本当、大毅と出会ってからの


何十年間振り回されてばっかりの人生だった。


大毅の事を好きになって


思い通りになる事なんて


殆どなかったけれど


これから先は


少しだけ


期待しても


いいのかな

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