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電車に乗ること30分
大毅に連れてこられた場所は
社会人になりたての頃
2人でよく来た駅だった。
「懐かしい〜！！！」
『懐かしいやろ笑』
お互い社会人になりたての頃
慣れない仕事でいっぱいいっぱいで
精神的にも体力的にもキツく
大毅と息抜きがてら
たまたま被った休日の日に
行き先を決めぬまま電車に乗り
知らん駅で降りてみようやと
大毅の何気ない一言をきっかけに
降りた駅がここだった。
「何だか変わってなくて安心」
重『せやな〜』
「散策がてら適当に散歩してみようよ」
重『おう！あっちの方行ってみるか』
.
これといって
何かあるわけではないけれど
この街の雰囲気が好きで
タイミングが合えば
大毅と2人で来ていた。
初めて来たあの日頃からもう
5年も経っていると思うと
時の早さを実感する。
重『俺、お腹空いてもうたわ』
「私もお腹空いちゃったな」
重『何か食うか』
「そうしよう！」
とは言ったものの
駅前から少し離れてしまうと
飲食店が少なく
ようやく見つけたお店が
テイクアウト専門店で
焼きそばとたこ焼きにベビーカステラを買って
近くにある公園で食べる事にした。
重『美味そ〜！！！』
「ん〜いい香り！」
「『いただきます』」
重『たこ焼き熱っ！でも美味いな』
「焼きそばも美味しいよ」
買ったものをそれぞれシェアして
食べていると大毅が突然
こんな事を言い始めた。
重『何かさ、こういうのええな』
「こういうのって？」
重『焼きそばとかたこ焼きって家で食べようと思えばいつでも作れるし食べれるやん』
「まあ、、そうね」
重『そうやって普段から食べれるものを、こうして天気がええ日に公園でシェアして食べてるって何か分からんけど幸せやなと思ってな』
「何気ない幸せってあるよね」
重『俺にとって、こうしてAと一緒に同じものを食べて同じ時間を過ごしてる事も幸せやで』
「ちょっと、、、急に変なこと言わないでよ」
重『何や、照れてるんか〜笑』
「照れてなんかない！！」
ねえ大毅
私も大毅とこうして
何気ない事で
シェアして分かち合えて
幸せを感じてるよ。
だからさ
余計に
大毅ともっともっと色んなことで
分かち合いたいって欲が
高まっていっちゃいそうで
少しだけ自分が怖い。
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泪傘。(プロフ) - きいさん» 初めまして涙傘。です！コメント・応援メッセージありがとうございます。そのように言って頂いてもの凄く光栄です。ちょっぴり素直になれず中々進展しない似た者同士の2人の今後を最後まで見守って頂けると嬉しいです。引き続き宜しくお願いします。 (2021年9月14日 9時) (
レス) id: d841922914 (このIDを非表示/違反報告)
きい(プロフ) - 衝撃の展開でびっくりしています…！！お互いどうなっていくのか、重岡くんはこの気持ちにどう決着をつけるのか…先の展開に目が離せません！！とても面白いです。続きを楽しみに応援しております。 (2021年9月14日 0時) (レス) id: 2c48d15d8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：泪傘。 | 作成日時：2021年8月28日 2時
