冬の匂いに包まれて【雪】 (ページ36)

今日:20 hit、昨日:16 hit、合計:132,161 hit

・ページ36

開けっ放しのカーテンから差し込む日差しに
まぶしくて目をこする

ぼーとする頭をなんとか必死で動かして…

え、今日何曜日？今何時？！

慌てて部屋にかかった時計に視線をやれば
時計の針はいつも家を出る時間の30分前をさしていた

『やばいやばいやばい！！！！』

昨日寝落ちした自分を恨みながら
急いでお風呂に入って、速攻でメイクを終わらせる

え、メイク薄い？
んーまぁ、眉毛かけば何とかなる！！

必死に自分を言い聞かせながら玄関の扉を開ければ
今日がごみの日だった事を思いだす

今度でいいかなって甘い考えがよぎって3秒……
やっぱり無理！さすがに無視できない！

左腕の時計を確認する暇もなく
とにかく急いでゴミをまとめて、玄関の扉をあけた

『まって、ほんとにやばい～～～』

「おはようございます」

なんだかロイヤルな低い声が聞こえて、
隣を見ればピシッとしたスーツに身を包んだ素敵な男性が玄関のカギを閉めていた

き、かれたよね？
朝からこんな慌てた無様な姿さらけ出してるけど、私大丈夫？

『お、はようございます…。えっと、今日もいい天気ですね、あはは』

あぁ、もう！何言ってんの、私！

「ですね。でも今日夕方から雨降るらしいので、折りたたみ傘をオススメしますよ」

『え！こんなに晴れてるのに。持っていきますね。ありがとうございます！』

「いえいえ。……時間大丈夫ですか？」

『あ、やばい遅刻！！あの、それじゃあ失礼します！』

勢いよく頭を下げて、エレベーターに向かう

扉が閉まって一息

……お隣さんって男性だったんだ