冬の匂いに包まれて【雪】 (ページ4)

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『夜の公園っていいよね』

「はいはい、今度はなに？」

『あ、ばかにした』

「してねぇって」

やっぱりばかにしたように笑ってくる照

そんな彼にばーかって吐き捨て、ベンチのすぐそばの滑り台の階段へ向かった

酔っぱらいふらふらすんなよ、って言いながらも
少し心配そうに照も階段のほうに来てくれる

まるで小さな子に付き添うパパみたいでちょっと笑っちゃう

数段のぼった途中でしゃがんで柵から覗き込めば
ん？って優しい顔した照が柵をつかんで同じように覗き込んでくる

いつも見上げてる照とおんなじ高さで視線が絡む
ちょっと不思議な気分

『ふふ、照の高さだ』

「どう？俺の目線は」

『んー、ジオラマの世界！』

「あっはは、なに俺ってゴジラなの？」

『じゃあ私ウルトラマン？』

「それは違うだろ」

ふふって笑ったら、照も嬉しそうに笑ってくれる

上まで登ってしゃがんで足をのばしたら
あーまってまって、って照がちょっと駆け足で
滑り台の下まで来て足を大きく開いて手を伸ばしてくれる

いっきまーす、って声をかけて
夜の冷たい空気をきりながら滑りだす

『っ、照？』

「ん？」

『いや、えっと……』

立ってたはずの照がしゃがむから
見事吸い込まれた私の視界は照でいっぱいになった