冬の匂いに包まれて【雪】 (ページ25)

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〇ピンク×バイトの先輩ページ25

〇ピンク×バイトの先輩

『さっくーーーーん！！』

佐「お前さ、俺先輩だって知らないの？」

今日は佐久間先輩、もといさっくんとバイトが被る日。

さっくんは、ここの居酒屋だけじゃなくて
他にもバイトを掛け持ちしてるらしい

シフトの入るタイミングがよめないから
私はいつも必死に探りながらシフトが被るようにがんばってるの

『えー、じゃあさっくん先輩？』

「うわっ、ばかがいるー！」

『さっくんにだけはバカって言われたくないです～！』

「はいはい！佐久間をバカにしたので、Aが今度困っても絶対助けてあげなーい！！」

え！やだ！それだけは勘弁してください！！
なんてちょっと大げさに謝れば、え～どうしよっかなぁってニヤニヤしだすさっくん。

そんなさっくんの楽しそうな笑顔に
いじわるされてるはずなのに、きゅんとしちゃう。

どんだけ単純なんだ私は。
でも……ねぇ？かっこいいんだもん。

店長「お前ら、今日忙しいんだから早く手動かせよ！笑」

「『は～い』」

さっくんのシフトを知るためには、店長の協力が必要不可欠なわけで。

こうやってさっくんと話していると
私の想いが全部つつ抜けな店長がにまにました顔でこっちを見てくるのは毎度の事。

スルーしてたら、“5番卓にこれ追加で持ってけ”って仕事を押し付けられた。
そこ私の担当じゃないのに……

『職権乱用はよくないですよ？！』

店長「おい佐久間！なんかAが～」

『ちょっ、ほんと店長やだ！』

なんすかぁ？って、ちょうど会計し終わって不思議そうに戻ってきたさっくんに“なんでもないです！！”って一方的に叫ぶ。

くっそぅ。弱みを握られている店長には逆らえない。