冬の匂いに包まれて【雪】 (ページ3)

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コンビニを出て隣の公園に向かう照を追いかけた

少し前まではこの時間でもちらほら人影があったのに今ではすっかり静まり返ってる

なんだか公園の遊具も心なしか寂しそう

ベンチに座った照がせっせと買ったばかりの肉まんを出して俺割っちゃっていい？って聞いてくるからそのまま頷いた

ほわぁ～とのぼる湯気
それを目を細めて嬉しそうに見つめる照

さっきまで私に太るよって言ってきたの照なのに
そんな彼が可愛くて思わず頬が緩んだ

「Aどっちがいい？」

『こっちのがお肉多そうだから照あげる』

「俺どっちでもいいから好きなの選べって」

『いいの？』

「ふはっ、どうぞ？」

『ありがと』

ありがたく少しだけお肉が多い方を受け取れば
冷えた手にじんわり温かさが伝わって優しく包み込んでくれる

寒い日の肉まんって、幸せの塊だと結構本気で思ってる

「ほんとAって美味しそうに食べるよな」

『ふふ、だって幸せだもん』

実は、好きな人と半分こするの密かに憧れだったりして

完全に昔好きだった少女漫画の影響
こんなの恥ずかしくて誰にも言えないけど

ふふ、やっぱり幸せだなぁって