ちいさな宝物。夏

カレーマジック ページ6

亮平:side



「お待たせ！ご飯出来たよ！」


涼兄の呼び掛けに導かれるように、リビングにいた数人がダイニングに集合する。
ダイニングに充満するカレーの良い匂いを、肺いっぱいに吸い込んで幸せな気持ちになる。


「良い匂い」

「あ、ごめん亮平。庭の方にも声掛けて来てもらっていい？」

「うん、分かった！」


辰兄の頼みで、庭にいる兄と弟達を呼びに行く。
縁側から覗いてみれば、皆楽しそうに音に合わせて踊ってる。
お腹減ったし早く食べたいけど、楽しそうに踊る皆を見てたくて、ちょっとだけこっそり覗く。


「きゃはは！」

「ん！3人と上手！将来はダンサーか？！」

「おれはサッカー選手になるんだ！」

「ぱま！ぱまぁ！」

「あっは！Aはアンパンマンになるの？笑」

「う！」

「あれ？いっちゃんどうしたの？」

「え、えと、ご飯だよ！」


こっそり覗いてたのに、バレちゃった笑。
ご飯だよって言ったら、すっごい嬉しそうに「「ごはん！！」」って言いながら弟達は走って行っちゃった笑。


「亮平、呼びに来てくれてありがと。行こっか？」

「うん！」


大兄に頭撫でられちゃった。
ちょっと、嬉しかったりする笑。

ダイニングに戻れば、先に戻って行った真都に「早く！早く！」って急かされた笑。
俺たち3人が席に着いたと同時に、辰兄の号令。
「いただきます！」って声を揃えて言えば、戦争の開始笑。
まぁ今日はカレーだから、おかわり戦争かな。


「んー！おいひい！」

「良かった笑。お野菜も一緒に食べてね？」

「「はぁい！」」


お野菜ゴロゴロ、ホロホロのお肉、程よい辛さ。
涼兄のカレーは、天下一品！
普段はあんまりしないけど、カレーの日は絶対におかわりしちゃう笑。
皆もするから、たくさん炊かれたご飯も、お鍋いっぱいに作られたカレーも、カレーのお供に作られたサラダも全部綺麗になくなった。


「「「「「ごちそうさまでした！」」」」」

「んぁ…食べすぎた」

「ぼくもぉ」

「美味しかった、幸せ…」

「それは何よりだよ笑」

「じゃあ、片付けるぞ〜」


綺麗にからっぽになったお皿を片付けていく。
今日のお皿洗いは、俺と大兄。
大兄が洗って、俺が拭きあげる。


「ほい、これ最後ね！」

「ありがと、大兄」


最後に拭き上げたお皿を重ねて、2人がかりで食器棚へ仕舞った。
やり残しがないか確認してリビングへ向かうと、急に辰兄が思い出したように喋りだした。

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